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お読みいただく前に&パスワード&Index
- 2026/01/01(Thu) -

はじめまして。

Gipskräuter<ジプソクラウター>です。


お越しいただきありがとうございます。


花より男子の二次小説を書いてます。
CPは総二郎×つくしです。


始めは読むだけだったんですけどね。

西門さんとつくしちゃんの、私の中ではあり得ないCPにいつしかどっぷり嵌まってしまいまして。ヘヘっ。

ある日ふと浮かんだ設定で無謀にも書き始めてしまった次第です(汗)

しかも、書き出しは浮かんだんですけどね。あとは、行き当たりばったりでそれぞれに勝手に動いてもらってます(笑)
なので、収拾作業が大変です(´-ω-`)


どの作品も、誰もがハッピーエンドを目指して頑張りまーす。


お話が完結するまではアップしない方針です。その代わりに、創作日記なるものをご用意しておりますので、そちらも覗いていただければ嬉しいです。


誤字脱字等多いかもしれませんが、お楽しみいただければ幸いです(*´∇`*)



最後に。


こちらはあくまで私の趣味のお部屋で、原作者様、他関係者様とは一切関係ありません。


誹謗中傷、荒らし等はご遠慮いただきますよう、宜しくお願い致します。


なお、駄文ではありますが著作権は放棄しておりませんので、転載、配布、二次使用等はご遠慮くださいますよう、宜しくお願い致します。



★パスワードについて★ 追記有り

★Index★



Gipskräuter
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花沢城物語 ~Have a happy life~ by GPS
- 2020/01/21(Tue) -





新しい年になって数日。
ここ、西門城でも新年の行事が粗方終わり、国王総二郎はのんびり寝っ転がっていた。
その横ではいつものように朝陽が羽繕いをし、バルコニーでは蒼穹と疾風がイチャイチャし、和泉守と陸奥守もまん丸くなってる。

そんな中で急に喋りだしたのは朝陽……


「クルッポー、クルッ、クルッ……ピィ!クルッポー!」
「……なんだよ、朝陽。変な鳴き方すんなよ…寝てるのに」

「アサヒ、トモダチ!クルッポー!!」
「お前のトモダチにそんな鳴き方するヤツがいんのか?
まーた何処かから変なの連れて来たんじゃねぇだろうな?」


「クルッポー!ピィ、イラッシャイマセー!」
「……来たんだな?」


やれやれ、今度は何だ?でもその鳴き方、どっかで聞いた事があるんだけど……?
そう思ったけど正月疲れでクタクタだった俺はソファーから動けない。
また目を閉じてウトウトしていたら……


クルッポー、クルッポー♪


…………本物の声だ。
朝陽の鳴き真似じゃなくて何処かから「クルッポー」が聞こえて来て身体を起こした。
そうしたら困った顔で入って来たのは山西。
その肩にはオカメの「アキラ」とは別の白いものが止まってた。

真っ赤なチークパッチのアキラは左肩に、もう1羽は……まさかの鳩?!


「山西……どうした、そいつ」
「あぁ、総二郎様。はぁ……この子は科戸(しなと)と申しまして……ここで飼ってもらえないかと友人に頼まれたのですが」

「科戸?それ、風って意味じゃね?
で、どうして友人から頼まれたんだ?一応ここは城なんだけど(鳥屋敷じゃねぇけど)」


「それがですね……私の友人はマジシャンでして……」


山西の説明はこうだ。

マジシャンの友人が長いことパートナーとして飼っていた銀鳩の科戸。
「ハット(帽子)から鳩」のマジックで1度も失敗をしなかったのに、先日失敗してマジックショーで爆笑されてしまった。
それを恥じて何度も練習したが、科戸もいい歳なので以前ほど動きにキレが無い。

これはもう引退させてゆっくりさせてやろうと思うのに友人のところに居たらショーに出たがる。
しかも若手の鳩に嫉妬して、その芸にダメ出しをして鳩の世界でも孤立……。
日に日に元気がなくなる科戸にはマジックとは離れた生活をさせた方がいいだろうと判断した友人が、鳥の多い城に持って来たようだ。


「1羽ぐらい増えても大丈夫か?と言われれば……断わることも出来ず……」
「……そう言う事か。へぇ…ショーに出てた鳩ねぇ……」

「人の歓声が大好きなようでして、頑張りたいらしいのです。
でもマジックショーはタイミングが大事ですし、鳩の手品では真っ黒な袋の中でジッとしてないといけません。
科戸は1度失敗してから焦ってしまうのか袋の中でジッとしないらしくて、それでタイミングを逃すようで……」

「自信を失ってんだな。その自信を取り戻せばショー鳩として復活できると?」

クルッポー、クルッポー♪
「クルッ、クルッピィ!シ、シナ……ピィ!」


「………………」
「………朝陽と遊んでる方がいいんじゃね?」

「ここは動物を褒めることにピカイチのつくし様に頼んで科戸の自信を復活させてあげるというのはどうでしょう」

「……そりゃいいかもな!」


つくしちゃんなら科戸のミスも見なかったことにしてベタ褒めして調子に乗らせてくれるかもしれない。
そうしたらこいつは再び自信を取り戻してマジックショーに復活。
『西門さんって優しいのね♡』と、俺にもベタ褒めしてキスの1つも来るかもしれない……これ、良くね?


「よし、山西……花沢へ行くぞ!」
「ありがとうございます!!」

クルッポ~♪
「アサヒ、ツクシチャン、クルッポー、ダイスキ♪♪」


***


「きゃーーー………す、凄いわ鳩さん…」
「つくしちゃん、科戸だ」
「………………………………」

「ね、ねぇ類。凄いよね?ね?」
「……………あのさ」


「ツクシチャン♪ツクシチャン♪」
クルッポ~♪

「ツクシチャン♪ダイスキッピィ♪」
クルックルッ ポ~♪♪


突然の総二郎の訪問に驚いたものの、事情を聞いたつくしと類は……と言うより、つくしの希望で総二郎のマジシャンモドキを目の当たりにする。
総二郎は全くの素人、それを大目に見ても『モドキ』にすら程遠いものだった。
これが幼稚園児ならば、その方がまだ可愛かったかもしれない。


「……なんだ?」
「……無理にやらせなくてもいいんじゃないのかな?」

「総二郎…、いや山西さんの気持ちも判るけどさ、もしかしたら科戸本人の意思でリタイアしようとしてるみたに、俺には見えるんだけど……」


クルッポ~♪
「シナ……シ……ナト…ピィ♪ダイスキ ピィ♪」


朝陽と楽しそうにしている科戸に、全員の視線が向けられる。


「……そう…なんでしょうか?」
「もう、充分 働いて来たんだろ?引退させてあげたら?教え込まれたタイミングじゃなくてさ、自分のタイミングで生活させてやれば?」

「……そう…なのかもしれませんね…」
「うん…幸いさ、総二郎のとこは鳥屋敷だし?」

「はっ?ちょっと待てっ」

「友達も沢山だろ?」
「そうで御座いますね♪」

「はぁ?ウチで引き取るのか?こいつ」


クルッポ~♪
「トモダチッ!ピィーー♪♪」


「くくっ、総二郎んちから追い出すとか無しでしょ?朝陽と仲良しじゃん」

隣のつくしは、うんうん♪と涙目になりながら頷いている。

総二郎はつくしと科戸を交互に見て、ふぅっとちっちゃくため息をついた。


ぷっ。
つくしのこの顔を見たら反対なんて出来ないよね。


「仕方ねーな……。
山西、西門で飼ってもいいぞ。面倒はちゃんとみてやれよ!」

「は…はい!ありがとうございます♪」

「流石 西門さんね♪
科戸ちゃん、よかったね~♪♪」


クルッポ~♪
「ツクシチャン、ソウチャン、ダイスキ ピィ♪ アサヒ、シナ……スキスキ♪♪」


朝陽って俺の名前知ってるよね?
なんでいつも俺の名前は出てこない訳?
俺も援護したはずなんだけど?
って……今更か…別にどうでもいいし!

これで晴れて科戸も西門の仲間入りかぁ。
今度からは科戸も一緒に花沢に侵入してくるんだろうなぁ……。
なんか…すごい複雑…なんだけど……。

でも…ま、今日の所はいっか!
つくしが嬉しそうに笑ってるしね♪♪


ピィーーーッ
 ピィーーーッ♪


はっ…この鳴き声………


「おっ、蒼穹、疾風!いいところに来たな!
今日から西門に仲間入りした科戸だぞ。よろしく頼むな♪」


ピィッ♪
クルッポ~♪

「うふふ~。みんないいこだから大丈夫よね~♪♪」

ピィー♪
クルッポー♪
「ツクシチャーン♪」

「………」


やっぱり先を考えるとちょっと頭が痛いかも……
でも今日のところは我慢 我慢……


俺ってどれだけ忍耐強くなればいいんだろ………





数日後の西門城では……

総二郎が城内を歩いているとやたら干してある黒いシルクハットを見つけた。
誰がそんなもの被るんだ?と思うほどの数で、その近くまで行くと丁度山西が片付けに来たところだった。


「おい、山西。これ、なんだ?」
「あぁ、総二郎様。これはその……科戸の遊び道具と言いますか……」

「は?科戸、もう朝陽と遊んでるんだろ?」
「えぇ、ですから朝陽とも遊んでまして……えーと、こちらに来られれば判るかと」


山西が総二郎を連れて城内の日当たりのいい部屋に行くと、そこには頭にシルクハットを被った朝陽がいる。
その妙な格好に笑いが出て、総二郎が近寄り朝陽に話し掛けた。


「なんだよ、朝陽。お前も手品したくなったのか?」
「ソウチャン、アサヒ、クルッポー♪」

「ははっ、そりゃ科戸じゃねぇと出来ねぇし、もう引退させただろ?
ほら、お前の冠羽が曲がるからその帽子、寄越せ」


「クルッポー、クルッ、ピィ!バーーーン!」
「は?ばーんって?」


総二郎が朝陽の頭からシルクハットを取ってやると、その中からバーン!!と科戸が飛び出して総二郎の顔面を直撃!
その勢いで後ろにひっくり返った!


「なんだ!今のは科戸か!!」
「あぁっ、総二郎様!あれが現在科戸がハマってる遊びでして!」

「遊び?!俺の顔面にパンチしやがったぞ?!」
「いえ、普段はそこまでは……ただ、ああやって朝陽の帽子に隠れて使用人を驚かせて遊ぶんです💦
余りに楽しそうですし、つくし様からも可愛がってあげてね♡と言われましたので💦」

「だからって野放しにすんなよっ!それにあれだけのシルクハットが必要なのかよ!」
「あ、あれは科戸がやはり帽子の中に入りたがるので……
そうしたら汚れますので替えを準備したらいつの間にか……」


つまり何か?
マジックショーは引退してもシルクハットからは卒業しねぇと?


気が付いたら、もう別のシルクハットの中に隠れて誰かが通るのを見てる……。
とんでもねぇ銀鳩だな……。

引き取るとか言わなきゃ良かった……。



溜息の総二郎と少しばかり嬉しそうな山西。
そして楽しそうな朝陽と科戸は、これからも二羽で「ドッキリ大作戦」をするのだろう……。





おしまい♪




こんにちは~♪

今日も花沢城は賑やかです♪♪
総ちゃん城も鳥屋敷まっしぐら……?(笑)
これ…どこまで増えるんでしょうね~(*´艸`)


お付き合いくださりありがとうございました(´∀`)ノ


Gipskräuter
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花沢城物語 ~Baby has come!~ by GPS
- 2020/01/07(Tue) -







「みんな、あけましておめでとう。今年も宜しく」
「宜しくお願いしま~す♪」


新年を迎えた花沢城の大広間。
ここで毎年恒例の城内だけの新年パーティーを行っていた。

これは招待客を呼ばずに城で働くもの全員が一堂に会し、今年も頑張ろう!の掛け声と共に乾杯するもの。
俺が国王としていられるのもこうして働いてくれるみんなのおかげ…ってつくしが言うから面倒だけど出席していた。

でも気になるのが俺よりもみんながつくしの方に挨拶すること…………むぅ!ナゼだっ!

ある者はつくしに酒を注ぎ、ある者は差し入れをし、ある者は手を握ろうと…それはダメだろっ!!


「ちょっと、つくし…もう部屋に戻ろう!」
「えっ?だって始まったばかりだよ?」

「国王がいたらみんな気になって食事も出来ないんだって!いいから部屋に行こう!」
「え~~~っ!類、1人で帰れば~」


誰だ……今頷いたヤツ!


ブーブー言うつくしの手を引っ張ってパーティー会場を出て、自分達の部屋に行こうとしたら……

田村がコソコソとリビングに行くのが見えた。

そう言えば田村、12月からソワソワしてたよね?
いつもは俺に仕事仕事って五月蠅いのに「少し失礼します」ってのがやたら多くて執務室を抜け出てたよね?
俺はラッキーだったから何も言わなかったけど……何か隠し事でもあるんだろうか。


「類、どうしたの?お部屋に戻らないの?」
「……しっ!田村が何かしてるんだ。確認しなきゃ」

「田村さんが?はっきり聞けばいいじゃない。類までそんなにコソコソしなくても」
「はっきり聞いたら言わない時があるからさ!」

「あっ、そうだよね~」
「うん、行ってみよ?」


足音をさせないようにそ~っと、そ~っとリビングに近寄ると、そこで田村が誰かと話してるのが聞こえた。
でも凄く甘えた声じゃない?気持ち悪いんだけど……。

もう少し聞いてみようと、5㎝ほどドアを静かに開けてつくしと上下で耳だけ入れてみた。


「お~、頑張ったんだねぇ、八子や。
いやいや、まだ見たりしないよ?そんなに怒っちゃダメだよ?
うんうん……今は大人しくしような?うんうん、良かったなぁ~潤、おめでとう!」


八子が頑張って潤におめでとう?
…………ってなに?

新年の挨拶……いや、八子が頑張らなくても新年は来る。
そして目出度いことだけど、潤に「良かった」とは言わないよね?

つくしも俺を見上げて???ってなってるし……

その時にドアを押さえていた手が緩んで、2人同時にリビングに倒れ込んだ!

「うわあああああぁっ!!」
「きゃああああぁーっ!!」

「うおおっ!はっ?!類様、つくし様!!」

「……類、重い……」
「あっ、ごめん、つくし!」


事もあろうか愛妻を押し潰し、俺は慌ててつくしを抱き起こした。
それを田村が呆然と見ていて、ハッ!と気が付いたら、再びコソコソとハムスターのゲージを隠した。


「………田村……」
「…………はぁ……」

「……ゲージ…隠したよね?」
「……………………………………………………………………………………………………………」

「何?その、すごーーーく長い沈黙」
「はぁ……」


「あらっ!あらあらあらっ♪♪八子と潤に赤ちゃんが居るっ♪♪♪」


「えっ!」
「はっ!つくしさまっ!」


田村を問い詰めてるうちに、隠したゲージを覗き込んだつくしが歓喜の声を上げた為 露見。
見付かってしまったゲージをテーブルの上に乗せて、去年末からのコソコソの原因の話を田村に促され静かに聞いた。

田村はすっかり親の顔になり、八子の様子を気にする。

─自分の子供じゃないくせに…

やれ静かにしてあげたいとか、八子の栄養は足りてるだろうか?とか、潤は父親の自覚があるのか?とか……
産まれて間もない事もあり、エセ父親の心配は俺の公務よりも新年のめでたさよりも勝ってるっぽい。

ここまで来るとコソコソ…と言うよりも、オロオロと言った感じだ。

─……だから…田村の子供じゃないのに…

つくしは…と言うと、可愛い♪の連発で、
「早く皆と遊べる様になると良いわね」
と、満面の笑み。
こっちは、大きくなったらゲージを増やさないとっ!なんて言い出す。

………えっ……ちょっと待って…


「ねぇ田村…子供……何匹なの?」
「…あっ……まだ産まれて一週間経ってませんので、はっきりとした数は……えーと…四匹までは確認しているのですが……五匹…いや…六匹…」

「えっ!!そんなにっ!!」
「きゃーーーー♪♪ゲージ、ゲージの準備しなくちゃ!!」


俺の隣から立ち上がりゲージを準備し始めそうなつくしを抑えて、
田村愛しの八子と潤と…その子供達のゲージがずらりと並んだリビングを想像……

─待て待て、そんなに要らないだろ?
─五つも六つも並べて、どーすんだよ…


「あのさ……盛り上がってるところに水を差すようでなんなんだけど………ハムスターってネズミ算式に増えるんだよ?
今は…六匹…?でもそれがどんどん増えてくんだよ?
分かってる?」


「…………」
「……でも…類!
捨てるなんて無責任な事出来ないし…」


「ん、分かってる。
だからいい方法 思い付いたんだよね♪♪
あのね…………」



「成る程……そんな案が……!
しかしご迷惑にならないでしょうか…?」
「それならこの子達も寂しくならないわね!お友達もたくさんいるし、きっと毎日楽しいわよね~♪♪」


迷惑?
いっつも迷惑かけられてるんだからたまには返さなきゃダメでしょ!!

でしょ?
ま、毎日楽しいのはつくしだから…だろうけど?

おっと……それはとりあえず 飲み込んで……!


「それじゃあ早速用意しようか!
田村は特注でゲージを用意して!
つくしには……カードでも書いてもらおうかな?」


「うん、私 頑張る~♪♪」
「はい、畏まりました…」


楽しそうなつくしとは対照的に田村はちょっと寂しそうな顔をしてる。

気持ちは分かるんだけどさ……俺としてはこのままネズミ屋敷?ハムスター屋敷?にするわけにはいかないんだからね!!


さぁ、これで花沢城は平和 平和♪♪




~新年それぞれの城にて~


「総二郎様、花沢城より贈り物が届いておりますので、ご確認を……」

「……類からだろ~、正月から請求書か?放っとけ」
「いえ、つくし様からです」

「すぐに持って来い」


「あきら様、花沢城より贈り物が届いておりますのでご確認を……」

「なんだ?歳暮を贈り忘れてたからって年明け?ボーッとしてるからな~、あいつ」
「いえ、つくし様からです」

「すぐに持って来てくれ」


「司様、花沢城より贈り物が届いておりますのでご確認を……」

「類からだろ?あとでな!」
「いえ、つくし様からです」

「はっ?マジか!?
それを早く言え!!」



思わずにやけそうになりながらも平静を保ち(そう思っているのは本人達だけで本当はバレバレ…)、それぞれが荷物を受け取った。


西門城 「……………………」
美作城 「……………………」 
道明寺城 「……………………」


それぞれの前にはゲージに入った幼いハムスターが二匹ずつ、それに添えられた可愛らしいカード……。


『あけましておめでとうございまチュー❤
この度我が城でハムスターの八子と潤の間に可愛らしい赤ちゃんが八匹誕生しました。
なので、みんなに飼って貰おうと思って❤

丁度今年はねずみ年でしょ?ハムスターもねずみさんの仲間だから縁起が良いと思うの~。
可愛がってあげてね~!

たまには八子と潤に元気な姿を見せてあげてくれたら嬉しいなっ!
お名前も決まったら教えてね?
うちに残した赤ちゃんは『翔』と『雅紀』にしました。

それじゃあ今年も宜しくお願い致しまチュー♡』



チュー♡の文字に思わず唇を寄せる三人だったが、そこに書いてある

「花沢類&つくし」

の連名を見て慌てて止めた。




さて……年始に目出度く干支であるネズミ(ハムスター)を貰った三人の今年の運勢や如何に。

そして花沢城では翔と雅紀を可愛がる八子と潤。
それを見守る類とつくしと田村……どんな一年になるのやら?


こうして2020年の花沢城が始まった。




おしまい♪



こんにちは~♪
今日は時間通りちゃんとアップされてるかしら……ドキドキ……
はい、ポンコツでごめんなさい(T_T)

改めまして!

明けましておめでとうございます!
(もう7日だけどね……でも本来なら……新年1発目の記事なので……( ¯−¯٥))
読み手の皆様も書き手の皆様も、今年もよろしくお願い致します(*´∀`*)ノ

新年1発目はハムスターです♪
子年ですからね~

各国に2匹ずつ贈られたハムちゃん…
これ……番だったら延々と増えていきますよね……間違いなく…(笑)
大丈夫なんでしょうか…?(*´艸`)クスッ

でも子年だし大丈夫って事にしておきましょう♪
この子達、今後出番あるのかしらね(笑)
ま、そこはお楽しみ♪♪って事で!!


お付き合いくださりありがとうございました(・∀・)ノ


Gipskräuter

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花沢城物語 ~琥珀が仲間になった日~ by GPS
- 2019/12/31(Tue) -





クリスマスの日に牧野の返事を貰ってからすぐ、教授に挨拶をしに行った。

「必ず幸せにします。一生掛けて守りますから花沢国に連れて行ってもいいですか?」


……もっと気の利いた言葉はなかったのかと思うけど「お嬢さんをください」ってのは違うと思った。
牧野は「貰う」とか「あげる」とかって言う品物じゃないから。


教授の宝物を今度は俺が全身全霊で守る…その約束をしたかった。
教授は数分間黙って……そして頷いてくれた。

「娘を宜しく……」

ほんの少し涙が光ったのを見て、自分の責任の重さを痛感した。


そして新年には花沢国に一緒に帰って両親に会わせ、
春には婚約者として正式に連れて帰ることを告げたら「でかした!」のひと言。
牧野も照れながら「宜しくお願い致します」と俺の横で挨拶をしていた。


その年の3月には卒業……まだ咲き揃わない桜の頃に2人で花沢国に帰った。

結婚式は6月。
あいつらも招待して盛大に披露宴を行い、真っ白なウエディングドレスの牧野は凄く……綺麗だった。



そうして始まった新婚生活。
俺がまだ王子で仕事が少なかったって事もあって、兎に角一日中一緒。
誰に会っても、何処行っても「仲が宜しいですわね」って言われてた。


「うわっ!綺麗なわんちゃん達……類、この犬は?」
「ん?白い方がボルゾイで桃太郎。父さんの飼い犬なんだ。
黒い方がフラットコーテッドレトリバーの菊次郎。母さんの飼い犬……噛まないから触っても平気だよ」


「可愛い~!大きいねぇ~…………あっ」
「どうしたの?」

「…………琥珀、元気かなぁ……」
「……きっと元気さ…」

「そうよね、元気過ぎてパパを困らせてないと良いんだけど」
「あぁ、そこはどうかな?つくしと一緒で元気過ぎるからね」
「えぇ~、ひど~い」


つくしは、あっと言う間に桃太郎、菊次郎と仲良しになり、今では誰が主が判らない状態にまでなっている。

そんなある日のリビング、つくしは実家からの電話を受ける。


『あ♪つくし?元気にしてる?』
「ママ、うん元気よ。皆は?元気?」

『えぇ、お陰様で。皆、元気よ♪こっちに置いて行った夏物の洋服送ったから、その連絡よ』
「ありがとう、暑いなぁって思ってた、うふふ」

「ところで、琥珀は元気にしてる?」
『……それが……』

「ママッ!それがって何?何があったの?」
『昨日も帰って来なかったのよ…』

「昨日…って、その前は?」
『もう、3日になるわ』

「………3日…心当たりは?何か変わった事は無かったの?」
『……これと言って……あぁ、そうだわ!あなたの荷物を詰めてる時、妙に纏わりついて来てね、つくしが恋しいのかしらね?って……』


電話の途中から、つくしの様子がおかしいと思ってた俺は、急に泣きそうになったのを見て受話器をもぎ取った。


「お義母さん、何があったんですかっ?」
『類くん?琥珀が居なくなったのよ…』

「珀がっ!何時からですかっ?」
『3日前よ、つくしの荷物を送った時だから…』

「荷物は、荷物は航空便ですか?船便ですか?」
『船便で送ったわ』

「………もしかしたら、つくしの匂いを追ったのかもしれません。こちらでも探してみますので、そちらでもお願い出来ますか?」
『えぇ、そうするわ。宜しくお願いね 類くん』


目に涙を一杯ためて見上げてくる つくしを抱き締めて、荷物を追って船に乗ったのかもしれないと伝えた。
それなら、もう港に着いてる可能性ある、と。


「……ね?港に行ってみよう?珀が来てるかもしれない」
「……グスッ……ん……お腹空いてるよね?怪我なんかしてないわよね?…」


いつも元気なつくしの元気が無い事を、
桃太郎も菊次郎も感じ取ったのだろう。
彼女の両脇に陣取り、心配そうにしている。


「おまえ達も一緒に行こう…つくしの大切な友達なんだ…」

………ゎん……


泣きべそのつくしと何だか嬉しそうな桃太郎と菊次郎を連れて港に向かった。

港にはちょうど船が着いたみたいで乗降客で混み合っていた。その様子は特にいつもと変わらない…みたいだった。


もしかして…つくしの荷物に紛れて珀も一緒に来てるんじゃないか…?なんて思ったんだけど甘かったのかな……
もし…もしも珀が船に一緒に乗り込んでたら、もっと騒ぎになってるよね?


つくしの手前、落胆を隠してスタッフに荷物の確認をすると、i確かにお義母さんからつくし宛ての荷物が届いてた。
本来なら城に直接届けられる物だけど、手続きを済ませればその場で受け取る事が出来ると聞いてそうする事にした。


「……珀…どこ行っちゃったんだろう………」
「珀はあれで結構逞しいからすぐに戻ってくるよ。だから元気出して!
ほら、お義母さんから美味しい物が届いてるかもしれないよ?」


「……うん…」


はぁ……
流石のつくしでも珀が居ないとなれば食欲どころじゃないか……


「あの……類王子様、お待たせ致しました。
それで……あの……ちょっと問題が………」
「ありがとう。問題って?」


言いにくそうにしてるスタッフに声をかけながら、もしかしたら…?っていう期待が増していた。


「………申告されていた重さと違ったようで割増料金が発生しているのですが………」
「やだっ、ママったら!!
ごめんなさい、ちゃんとお支払いします!」



顔を真っ赤に染めて恥ずかしそうにつくしは財布を取り出して支払いをしようとしてる。


「ねぇ…その超過分ってさ……」
「ママってばきっとお金がなくて少なく見積もったのよ!もうっほんとに恥ずかしいんだから……」


すみません、本当にすみませんでした、って、繰り返し謝りながら支払いを済ませると暫くして荷物が届けられた。と同時に…。


わん♪
わんわん♪


それまで静かにしていた桃と菊が鳴き出した。


「桃、菊?」

わんわん♪♪


尻尾をぶんぶん振りながら荷物に向かって吠え続けてる。


やっぱりこれってそういうこと?
けどそれにしてはまるっきり反応がないんだけど………?
はっ……まさかまさか、3日間飲まず食わずで………珀っ?!


「誰か!ここでこの荷物を開けて!」
「……類?どうしたの?」

「いいからすぐに箱を開けて!もしかしたら……もしかしたら中に珀が居るかもしれない!」
「えええーーっ!!珀ーーっ!!」


係員が慌ててナイフを持ってやってきて、大きな箱が開けられた。
それを俺がバンッ!って開けたら……服?


わん♪
わんわん♪

いや、桃と菊がやっぱり吠えてる……って事はこの服の下に?

可愛らしい服をピラッと捲ったら今度はお菓子の箱。
その菓子箱をパカッと退かしたらまたワンピース……そいつをひらりと捲ったら、そこに茶色の毛皮が見えた。


このフォルム……ま、豆柴ぐらいの大きさだよね?


まさか……まさか……
まさか……まさか……

恐る恐る触ってみたら………

「………………スゥ」


寝てるのかーーーっ!!!


「きゃああぁーっ!珀ーっ!大丈夫なの?!
珀、起きてーっ!」

「………………」

わん♪
わんわん♪

「……わん?」

「類っ!珀、生きてるわ!良かったぁ~~~!!」
「………………うん、そだね」


つくしの服を皺クチャにして、菓子箱もぐしゃぐしゃにして、少しだけ痩せた珀をつくしが抱っこした。
そして胸に抱えて大泣き……!
それを見た桃と菊が嬉しそうに近寄って来た、その時だった!

ぐったりしてヨロヨロしてる珀がつくしの腕から降りて、自分の何倍もある桃と菊に向かって吠えたんだ!


ワンワンワン!!💢(つくしちゃんに近づくな!俺のつくしちゃんだぞ!お前達 何者だっ!!)

わん?(えっ?!そんな……)
わんわんっ?!(噛んだりしないよ?君、つくしちゃんの友達なんだろう?)

ワンワンワン!!💢ワワワンッ!!(そんなにデカいんだ、危ないじゃないか!つくしちゃんに危害を加えたら許さないぞっ)

わんわん💦(確かにあんたよりは大きいけど…)
わんわぉ~~ん💦(危害なんて加えないよ、君を皆で迎えに来たんだ。つくしちゃん心配してたんだよ?)

ワンワン?(ホントか?君達もつくしちゃんの友達なのか?)

わん!(僕達も、つくしちゃん大好きさ♪)
わんわん♪(てか、君、勇気あるんだな~)

……ヮン(…ごめん)

わん♪(いやいや、いいって)
わんわん♪(仲良くしようぜ!)


「……何話してるのかしら」
「……さぁ?」


………………パタっ!


「きゃああぁーっ!珀が倒れたぁ!」
「すぐ城に連れて帰ろう!食べて休めばきっと大丈夫だから!」



こうして琥珀は花沢城にやってきた。
どうやって荷物に潜り込み、何故封をするときに気が付かなかったのかは……誰も知らないけど。

そして目が覚めたらご飯を食べてまたぐっすり寝て、それを3日間繰り返したらすっかり元気になって庭を走れるようになった。


「珀ーーっ!こっちだよ~!桃ちゃんと菊ちゃんもおいでぇ!」

ワンワン!

わんわん♪
わんわぉ~~ん♪


それをバルコニーから見下ろす俺に父・国王と母・女王から言われた言葉は「もうすぐお前に譲位しようと思うのだが」だった。


「え?まだそんな歳じゃないのに?」

「はは、もう隠居して母さんとのんびりしたいのだよ」
「そうねぇ。あなたにも奥さんが出来たことだし、他国もそろそろ考えてるらしいし」

「……じゃあこの城を出て行くの?別荘に引っ越すの?」

「そうなるな」
「えぇ、でもそんなに遠くはないわ」

「……桃太郎と菊次郎は?」


2人は顔を見合わせ「出来たらここでお前達が飼ってくれないか?」と。


「……そうだね。つくしも花沢に来たばかりだし、俺が国王になると忙しくて1人になるかもしれないし」

「あぁ、だから新しい子と桃と菊でつくしさんを守ってあげなさい」
「それがいいわ。琥珀ちゃんは頼もしいけど、桃と菊の方が花沢城には詳しいわ。側についててもらえば安心ね」



こうして暫くしたら花沢国では国王の譲位が行われ、類が新国王となった。
その時につくしのSPとして任命されたのが「琥珀」、そして「桃太郎」「菊次郎」である。


「珀、これから忙しい俺の代わりにつくしを宜しく」

ワン!!

「桃太郎、菊次郎、お前達は珀のサポート、頼むよ」

わんわん♪
わん♪

「みんな、これからも仲良くしてね❤」

「「「わぉ~~~んっ♪」」」




このお話は第1話「誕生!!凄腕SP」へと続く。



こんにちは~♪

琥珀の仲間入りはこんなだったんですね~♪
珀の剣幕に菊と桃は引いてボスになったのか……
はたまた,もともとつくしちゃんのわんこだからボスなのか……

どっちだったのでしょうね??

今年もいろいろとお世話になりました(*´人`*)
たくさんの方に来ていただけて、とても嬉しいです♪
来年もよろしくお願い致します♪♪


追記

はぁ……またやっちまいました……(ノД`)
もうポンコツすぎて本当に申し訳ないです……
いろいろ重なり、気づいた時には新年を明けておりました……

というわけで……こんな状況ですが

明けましておめでとうございます(≧▽≦)
こんなポンコツですが本年もよろしくお願い致します(´・д-人)


P隊員 S隊員
明けましておめでとうございます!
もういつもご迷惑をおかけしてごめんなさい(´;д;`)ブワッ
これからも変わらずお付き合いいただけたら嬉しいです♪
本年もどうぞよろしくお願い致しますm(_ _)m


お付き合いくださりありがとうございました♪



Gipskräuter


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花沢城物語 プロポーズ編~プレゼントはオマケ付き~ 後編 by GPS
- 2019/12/24(Tue) -






そうしていたらとうとうこの島にも雪が降り始めた。
12月……ある意味、1年の締めくくりとなるイベントがやってくる。

それはクリスマス…もうこの日しか残ってないような気がして小さな箱を持つ手に力が入った。



「えっ?!クリスマスパーティー?寄宿舎でするの?」

「おお!盛大にするからお前も招待してやる。有り難く思えよ!」
「まぁ、一緒に食って飲んで楽しもうってぐらいのパーティーだ。クリスマスが終われば俺達一時帰国するからさ」
「何も用意しなくていいよ?全部俺達で準備するから。牧野は手ぶらでおいで?」

「………………」


マジ?……今度は全員でのクリスマスパーティー!!
おのれ、悪友どもめ……何処までも邪魔する気だな?!
俺に相談も無くそんな事を決めたからムッとして3人を睨んだけど効果無し!


牧野は困ったような顔して俺の前にやってきた。

「類も……来るんでしょ?」
「えっ?あぁ……うん」

「そっか!じゃあ……行く!」
「……パーティー、楽しみなの?」

「うん!楽しみ……もうこれが最後のクリスマス…なんでしょ?」
「…………え?」


どうしてそんなに悲しそうな顔するの?最後ってどう言う意味?
牧野が最後にしたいとか…じゃないよね?!

楽しみって顔じゃないのに無理して笑って、牧野は司達と当日の話で盛り上がっていた。
チラッと時々俺の方を見ながら、その目は凄く淋しそうだった。



12月24日のクリスマスイブ……そのパーティーの日になった。

司が用意したデッカいツリーが飾られて、あきらが用意した沢山の料理が並べられて、総二郎が用意した極上ワインが何本もテーブルに置かれた。
俺は……何もしなくてヤケに楽しそうに騒いでるあいつらを眺めてた。

そうしてるうちに牧野が大きな袋を抱えてやってきた。

「MerryChristmas!!お招きありがとうございます♡
きゃああぁーっ!美味しそう!!それに凄いツリー……こんなの初めて!」


「だろ?特注だぜ?」
「寒かっただろ?早くはいりな、つくしちゃん!」
「……何を持って来たんだ?」

「あぁ、これ?!えへへ…やっぱり作りたかったの!ジャジャーン!!」


袋の中から赤い箱を取り出して得意気な顔してる…。
箱の中身は凄く綺麗に飾られたクリスマスケーキで、ニコニコしながらそれをテーブルの真ん中に置いた。

「今年は上手に焼けたの!」なんて今度は真っ赤な顔してさ…。
あいつらにもそんな笑顔を見せるから、3人共が大はしゃぎしちゃって。


牧野……それ、俺だけでも良かったんじゃないの?
そもそも恋人なんだからさ……2人で過ごしたくなかったの?

なんて拗ねたりする大人気ない俺……。


「道明寺、はい!」って料理を取り分けてやって、「西門さん、それ美味しい?」って総二郎に確認して、「美作さん、食べ方綺麗!」ってあきらをべた褒めして。


俺の分は?俺だって綺麗に食べる自信あるし!
こんなに豪華な料理じゃなくても、向かい合って同じものを食べたかった……。

なんて膝を抱えたまま拗ね続ける俺……。


今度は楽しそうに3人とトランプなんて始めて、3人とカラオケなんて始めて、3人と「人生ゲーム」なんて始めて。

……俺との人生はゲームじゃ無いよね?
「やったぁ!女の子が産まれたぁ!」って言ってるけど誰の子供だよ!

なんて、まだ拗ねまくりの俺。
完全に忘れられてる気がする……。



そうしてやっとクリスマスパーティーが終わり、誰が牧野を送って行くかって話になっても俺の機嫌は奈落の底。
外の空気よりも寒いオーラを隠す事なく座っていたら、牧野の方から俺の前にやってきた。


「類……あの、一緒に帰ろ?」

「…………え?」
「お、送ってくれるかな?」

「なんだ!類、居たのかよ!」
「お前壁と同化すんの上手いなぁ……気が付かなかったわ!」
「食ってもないのに腹壊したのか?」

そんな奴等を放っておいて、牧野は赤い顔して俺の返事を待ってる。
仕方なく……いや、本当は2人になりたかったんだから嬉しかったけど、これまでの様子から素直になれない。

それでも立ち上がって「送ってく……」、そう言ったら牧野も「うん!」って笑ってくれた。


だからさ……その笑顔は俺だけのものだったのに。
惜しげも無くあいつらに向けるから俺が拗ねちゃうんだよ?


今度はブスッとした3人に牧野からのクリスマスプレゼントが渡された。
「まだこれしか編めないから」って恥ずかしそうに渡したのはマフラー。

司には赤、総二郎には緑、あきらには黄色のマフラーを可愛くラッピングしたものを鞄の中から出して手渡した。
……あれ?俺には?って思うけどそこで牧野の鞄はぺったんこ。


……流石に凹んだ。



牧野を右隣に置いて歩く真夜中の道……ここで会話が弾む訳もなかった。

チラッと見下ろしたら真っ赤な顔した牧野が居る。何故か少し緊張してるみたいで目がド真剣…。
いつもならそれを見て笑うんだけど今日は笑えなかった。


「……あ、雪だぁ……」
「…………ホントだ」

牧野が差し出した手の中に真っ白な雪が落ちてきた。
赤い手袋してたから雪は綺麗にその姿を見せてくれて、牧野は嬉しそうに眺めてた。

そんな笑顔、今見せても遅いから。
俺の機嫌、そんなんじゃ直らないから……なんて思うけど、やっぱり可愛い表情に見惚れてしまう。


もしかしたら……今、言えるんじゃない?

誰かが俺にそう言った気がして、ポケットの中の箱をギュッと握った。


「早く帰らなくちゃ…!珀がきっと心配してるわ」
「……そうだね」

「うん!雪が酷くならないうちに帰ろ?」
「……そうだね」


………………言える雰囲気じゃなくなった。


そうして無言で牧野の家の前まで来たら、今度は牧野の足が止まった。
ジッと自分の家を見て黙ってる……どうしたのかと思ったけど何も聞かなかった。


「着いちゃった……」
「そりゃそうでしょ。家に向かってたんだから」

「うん…そうなんだけど」
「早く入りな?風邪引くから」

「…………類は……」
「……なに?」

「………………何でもない!おやすみなさい!」
「……………………」


牧野はそう言うと家に向かって走り出した。
ほんの少し雪で白くなった道を、1度も振り返らずにダッシュで玄関まで行って、凄い勢いで家の中に飛び込んだ。



………………何を言いかけたんだろう。

牧野が入ってすぐに灯りが灯った部屋を見付けて、そこが彼女の部屋だと判った。


このままでいいのか?ってまた誰かが聞いて来た。
これが最後じゃなかったのか?ってその声は俺を急かした。

このまま別れられるのか?って……その声が自分自身だと気が付いた!


だから牧野の部屋の窓の外に立って……コン!と窓を叩いた。


『…………誰か居るの?』って牧野の声が聞こえた瞬間、それまで拗ねてた俺は何処かに消えた。


言わなきゃ……。
今、ちゃんと言わなきゃ……!!


「……サンタなんだけど」
『…………は?』

「あんた専用の……サンタなんだけど」
『私の……サンタさん?』

「うん、臍曲がりで天邪鬼のサンタなんだけど、ここ…開けてくれる?」
『………………』


カーテンがちょっと開いて、その隙間から涙目の牧野が顔を出した。
そしてカチャ、と鍵を外して窓を開けてくれた。

それは俺の胸の高さぐらいの出窓で、牧野はそこから身を乗り出すように身体を出して来た。


「……サンタさん?」
「うん、忘れ物……って言うかプレゼント持って来た」

「プレゼント?何も持って無いのに?」
「…………プレゼントは、俺…なんだけど」

そう言うと涙目なのに大きく見開いてキョトンとした。
真っ赤になってる鼻を押さえて瞬きだって何回もして。


「……受け取って欲しいんだけど」
「……うふっ、変なの……」

「受け取ってくれたらオマケが付いてくるんだよ?」
「えっ、オマケ?どんなの?」

「左手……出して?」
「左手?」

恐る恐る出された左手にポケットに入れていた小さな箱をポスッ!と落としたら「は?」って素っ頓狂な声が出た。
それが可笑しかったから、今度は箱を開けて……中の指輪を取り出した。

「…………類?」
「指…出して?」

「あの……えと……」
「オマケの行き先はここ…なんだから」


牧野の左手薬指に光る指輪……それをまん丸な目で見て……また涙を流したりして。


「…春になったら一緒に花沢国に…俺について来て欲しい」

「………………」

「牧野……結婚しよう?」

「………………うん!」


その時の牧野の顔……凄く綺麗だった。
それまでで見た笑顔の中でもダントツ……俺だけに見える幸せそうな笑顔。

俺も凄く嬉しかった。

「うん!」、なんて子供っぽい返事だったけど、安心して身体中から緊張が解けていった。
さっきまで俺に話し掛けていた「もう1人の俺」が、大袈裟にガッツポーズして「良かったな!」って言ってる。


「じゃあさ…もう少しだけ近づいて?」
「……こう?」

「……愛してるよ、牧野」……その言葉と共に誓いのキスを贈った。




「私からもプレゼント、あるの」

牧野はそう言って窓の外の俺に手招きした。
玄関からじゃなくてちょっと気が引けたけど窓から部屋に入ったら、そこで渡されたのは綺麗なブルーのマフラー。


「あのね、類にはここで渡したかったの。
みんなの前じゃなくて、2人の時で……類がそんな時間を作ってくれると思ってね、持って行かなかったの」


「そうなんだ?ごめん…ヤキモチ焼いて」

「ううん……本当はずっと待ってたの。お花見の時も海の時も。
紅葉狩りだって楽しみにしてたの…クリスマスはね、本当は2人で過ごしたかったんだよ?」


「…ごめんね、待たせちゃって。
これからはずっと一緒にいよう……大事にするよ」


「……うん!宜しくね、類……」




次の日の朝……窓の外は銀世界。
真っ白な雪を2人で一緒に眺めて、朝1番のキスを交わした。


「MerryChristmas……
I want to wake up next to you every day for the rest of my life…」

(これからの人生、ずっと君の隣で目を覚ましたい)





おしまい♡




こんにちは~♪

今日はイブですね~(*´∀`*)
こんなだったんですね、この2人♪
つくしちゃんも類くんも幸せそうで何より♪♪

いやー Gipもプレゼント欲しいわ~!
総ちゃん 何かくれないかしら……( ̄∀ ̄;)アハハ…

何はともあれ…

Merry Christmas♪♪

Happyな1日をお過ごしくださいね~☆(≧∀≦*)ノ


お付き合いくださりありがとうございました♪



Gipskräuter

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花沢城物語 プロポーズ編~プレゼントはオマケ付き~ 前編 by GPS
- 2019/12/17(Tue) -





牧野と昔の事を思い出してお互いの気持ちを打ち明けた。

俺の人生の中で1番ドキドキして、ソワソワして……自分の中にこんな熱い感情があるんだって初めて知った。
そのぐらい牧野の事が大事になった。

そう言えば、初めてキスしようとした時……珀に怒られたっけ?
この島で出会った時には抱いても怒らなかったのに。

『珀、ダメだよ?類は私の大事な人だから。
今度から珀も類の言う事聞くんだよ?』


……牧野がそう言ったら大人しくなって、キスする時は背中向けてたよね。


それはいいけどさ……
此奴らは俺が抜け駆けしたって、横からギャアギャア喚くの止めてもらいたいんだけどっ!


「はぁ?!なんでそうなったんだ?すげぇムカつく……自分勝手なヤツだな、類!
どうして俺に黙ってコクるんだよ!」

「……なんで総二郎に許可もらわないといけないのさ。関係ないじゃん」

「いきなりそんな話になるのか?お前等ここで知り合ったんだろ?
条件的には俺達と同じじゃないか?」

「……牧野、花沢国出身だったんだ。小さい時に出会ってるの、思い出したんだよ」

「……………………」
「……司、興味がないならそんな目で睨むなよ」

「お前みたいに寝てばっかりなヤツの何処がいいんだ?」
「……五月蠅い。放っといて」

「俺の方が女心は判ってると思うんだけどな……」
「……五月蠅い。確かにあきらの女子力には誰も勝てないだろうけどね」

「……………………」
「……司、だから睨まないでよ!!」


「……各国の王子達…あなた方は講義を聞く気がありますか?」
「「「「……すみません」」」」

ほらっ!!教授に怒られちゃったじゃん!



俺達四人、スタートが一緒だったら?
俺が幼い頃の事を思い出さなかったら?
彼女はきっと、自分の気持ちを言わずに過ごしただろう。
そう思う度に、胸を撫で下ろす自分が居る。

思い出して良かった!

俺と牧野は、他の三人に邪魔されたり…
時には、珀に助けられたりしながら、
絆を深めた。
ぁ、そうそう、珀って呼んでるけど本当の名前は、琥珀って言うのも彼女から聞いた。


***


この島に重い足取りで来てから、三年。
思いもしなかった出逢いをしてから、三年。
お互いに、幼い頃の気持ちを打ち明けあってから、三年。

春も夏も、秋も冬も三つずつ過ごした。
沢山話して、沢山笑って……少しだけど喧嘩もした。
ここでの思い出は、過ごした季節の数だけ増えている。
三年前、彼女を花沢国に連れて帰ると心に決めた事は変わって無い、寧ろ強くなっている。

牧野の事は留学した年の夏休み、帰郷した際に両親に話した。

好きな女性(ひと)が出来た。と…
連れて帰って来たいと思ってる。と…

最初、驚いた様子だったが、牧野教授のお嬢さんだと告げると、二人共 諸手を挙げて喜び、
「必ずや連れて帰って来いっ!」
と、背中を押された。

あぁ、そう言えば……
「YESの返事を貰うまで、帰って来るな」
とも、言われた気がする。


俺が Flower island に帰るまで、あと一年。

……いや、一緒に花沢国に帰る事を拒まれたら帰れないけど……
……………帰れなくても一緒に居られれば、それはそれで、幸せ……いやいや、帰れないって事は、断られるって事だよね?

………断られる?……そんな事にはならない…
と思ってるんだけど、もしそうなったら?

…………凹むじゃん……むぅ……

と、兎に角っ!一緒に来て欲しいと、一緒に花沢国に帰って欲しいと伝えなければ。

恋愛経験値は、決して高くはない…と思う、
………司ほど壊滅的ではないが……。
そんなモノ、高かろうが低かろうがプロポーズは一生に一度なんだから、経験値は関係ないだろ?……と、自分を慰めてみたりして…、

………………さて……どうしたもんか?

…………俺……本当にFlower islandに帰れるのかな…………。



そんなこんなでこの島で迎える最後の春。

春と言えばやっぱり花見でしょ。
桜の木の下で花弁がひらひらと舞い降りて来る中でのプロポーズ………なんて牧野 すっごく喜びそうじゃん♪

あいつらにバレないように秘密裏に進めた筈なのに、どこからどう漏れたのか……待ち合わせ場所に行って牧野を待ってたらあいつらが……来た……。

勿論 牧野が来る前に撒こうとしたさっ!
でも言い合いをしてるうちに牧野 来ちゃうんだもん!!

その後も何とか撒こうとしたけど結局撒けずじまい……。

ジャケットのポケットに入ったリングの出番は来なかった………。



そうこうしてるうちにこの島で迎える最後の夏がやってきた。

夏と言えばやっぱり海……なんだよね……?
俺にはしっくり来ないけど、牧野は瞳をキラキラさせながら海の話ばっかりするから週末を使ってのお泊まりデートを考えた。

青い空、青い海!
なーんて司は喜びそうだけど、俺はパス!!

ここはやっぱり夕方の砂浜を二人で歩いて……流木なんかに座っちゃってさ?
沈む夕日を仲良く眺めながらのプロポーズなんて……牧野ってばすっごく感動してくれそうだよね?


この日の待ち合わせ場所にあいつらの姿はなかった。

春には邪魔されたからね。
念には念を入れて……今回は上手くいった♪……筈…だった………。

夕方になって砂浜を歩く俺達の前方にはなぜかあいつらの姿………。

もうっ!
一体どこまで邪魔したら気が済むのさっ!!

踵を返して逃げようとしたけど、あいつらが俺達を逃す筈もなく………ここでもポケットの中にあったリングの出番は来なかった………。



時は流れてここで迎える最後の秋がやってきた。

そろそろ決めないと!俺っ!!

時期的には紅葉狩り?
いやいや、食欲の秋!食欲の牧野の勝ち?
あっ、お泊まりデートにして両方取ればいいのか♪♪

ってことで、今回もお泊まりデートにした。

それなのに…………。


牧野ったら前日に食べ過ぎて、お腹壊してデートそのものが中止になった。

いや、仕方ないよね……。
お腹押さえてる人にプロポーズ……そんな事言えないし。




続く……はず。




こんにちは~♪

ふふふ~♪♪
前回の続きのお話、ありましたね~(´^ω^`)
そしてまた『続く……はず』?
続かないと困りますよね(笑)
はてさてどうなるんでしょうかねぇ~?
(書いた本人は全く覚えておりません……( ̄∇ ̄*)ゞエヘヘ)

お付き合いくださりありがとうございました(*´∀`*)ノ
 

Gipskräuter
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花沢城物語 出逢い編~小さな恋のはじまりは~ by GPS
- 2019/12/10(Tue) -





それは、類達の両親が国王と王妃をしていた頃の話。
彼等は、次期国王としての知識、広い見聞を身に付ける為、そして人として成長する為に、
揃って世界有数の学都がある他の島に留学する事になった。


********


「……くそっ、面白くねぇなぁ!なんで俺達がこんな国に留学しなきゃなんねぇんだ?」
「司、お前が1番勉強しなきゃいけないんじゃないのか?」
「あきら、言えてる!だよな~、司はまず字を覚えねぇとなぁ!」
「何だとっ!!」

「………………(眠い)」


今、俺達が居るのはFlowerislandから少しだけ離れた島。
そこにある帝王学を学ぶ学校に入ることは昔から決まってて、今日俺達は揃ってその学校に入学した。

一応王子という立場から専用の寄宿舎があって、そこに4人で暫く同居……はぁ、考えただけでも五月蠅そう。


「いつまで居るんだ?3日間か?」

司……そんな訳ないでしょ。遠足じゃないんだから。

「いい女居るかなぁ~?ワクワクするよな!」

総二郎……ここは男子校だって。何回言ったら判るの?

「最新設備整ってるんだろうな?俺、ドライヤーには拘りがあるんだけど」

あきら……お前の髪のことまで気を遣わないって。そんなの自分で持って来なよ。

「「類!寝ながら歩くなよ?」」」

あっ……目、閉じてた?


取り敢えず授業は明日から。
そういう訳で俺達はのんびり歩いて宿舎の方に向かっていた。

その時……


「珀~!何処に行ったの?珀~?」

何処かから女の子の声が聞こえた。
ハク?誰かを探してるんだろうか?

当然その声を聞いた司もあきらも総二郎も声のした方を振り向いた。

俺達の後ろで茂みを掻き分けて出てきたのは黒髪の女の子……大きな目をした小っこい子。
スカートに沢山の葉っぱをつけたまま俺達の前に出てきて、キョトンとした顔してる。

「あれ?もしかして今日この島に来る予定の方ですか?」

「は?あぁ、そうだけど」
「なんだ?お前、偉そうに!」
「司、怒鳴るなよ!相手は女の子だぞ?」

「ごめんなさいっ!えへへ、見慣れない人達だったから。
ようこそ、Horsetailislandへ!」




「……あんた、何か捜してたんじゃないの?」

「あっ!!そうだった!この辺で茶色い豆柴見ませんでした?
コロコロしてて人懐っこくて食いしん坊なの」


「……あんたの飼い犬?」

「飼い犬って言うか、友達?1番仲良しなの。
何処行ったのかなぁ……珀~!!」


わんわん♪

「あっ!居たぁ!もうっ……心配したんだからね!」


この子が出てきたのとは反対側の茂みから出てきたのは本当に小っちゃい犬だった。
尻尾をフリフリ嬉しそうな顔して出てきて、この女の子の胸に飛び込んだ。


ドクン……あれ?なんで心臓が鳴ったんだろ?


「やだぁ!舐めちゃダメだって!」なんて言いながら真っ赤な顔して笑ってる……。

……凄く…可愛いかも。


「あはは!可愛いヤツだな。でも見付かって良かったじゃん。
俺は西門国の王子、総二郎。宜しくな!」

「何処で遊んでたんだろう?少し汚れてるから洗ってやりな?
俺は美作国の王子であきら。宜しくね、お嬢さん」


わんわん♪


「…………」
「あれ?司は挨拶無しかよ?」

「そ、その前にそいつをどっかに連れて行け!!
俺は犬が大っ嫌いなんだよっ!!」


…………ゎん?💢


「睨むな!!チビのクセにっ!!」
「あぁ、こいつは道明寺国の王子で司。
いつもこんな感じだけど許してやって?」


「うふふ、はい!皆さん、宜しくお願いします!
えと……あなたは?」


「俺……花沢国の類。
あのさ……その犬抱っこしてもいい?」


「……あっ、はい!どうぞ♥」

その子の腕に抱かれてた犬を受け取って抱っこしてみた。


あ……舐めた。くすっ……可愛いかも。
その犬の目をジッと見つめると……ペロンと鼻の頭をまた舐めた!

「くすっ、お前……いい目をしてるね」

わんわん♪

「あら!類さんの事が好きなのかしら?
初めてなのに大人しくしてますね!」


「……あんたの名前は?」

「あっ!ごめんなさい。私の名前は牧野つくし。
父がそこの学校の教授なんです。だからこの近くに住んでるの」


「え?この学校の?」
「そうなんだ!へぇ!」

「はい!『The great prince of the spirit University』……略してGPS学校です」

「「「「……何だろう。略されたら悪寒が……」」」」

「イヤだわ、悪寒だなんて。そんな言い方しなくてもいいじゃないですか~。
それよりここでの生活を楽しんでくださいね~♪」


やっぱり可愛いかも……。
でもこの笑顔どっかで見た気もするんだよな…気のせい……?

ふと湧いた疑問がどうしても気になって仕方ない。
目の前にある人懐っこい笑顔を見ながら自分の記憶を遡っていたら、腕の中で犬がもぞもぞ動き出した。

「どうしたの?やっぱりご主人がいい?」

まん丸の目は俺をじっと見てて、腕から逃げ出したい訳じゃないっぽい。もしかして他に気を取られてるのを感じてちょっと妬いちゃったのかな?

「ほんとお前 可愛いね♪」

「うふふ。琥珀ったら類さんのこと好きなのね♪」

女の子はそう言って琥珀と目線を合わせるように屈み込んだ。

「珀、気持ちは分かるけど邪魔しちゃダメよ?この人達はお勉強をしに来たんだから。
今日はもう帰りましょう?きっとまた会えるし、遊んでもらえるわ♪」


俺から琥珀を受け取ろうと腕を広げるから素直にそれに従って琥珀を預けた。

「遊んでくれてありがとう!それじゃあ、またね♪」

女の子はそれだけ言うとにっこり笑って手を振りながら来た道へと消えてった。


牧野…つくし……か……
可愛かったな……


「おいおい、俺達はスルーかよ?」
「仕方ないんじゃないか?今日は犬に気を取られてたんだろ…きっと…」

「はっ、いなくなって清々したじゃねーか!」

「それにしても類が女の子と普通に話すなんて珍しいよな」
「あぁ、そういえばそうだな。
けど類、抜け駆けはなしだぜ!」


「……………」


総二郎もあきらもうざいっ!
俺が女の子と……つくしとどうしようと俺の勝手でしょ!

無言のまま宿舎に向かって歩きだしたらそれをどう捉えたんだか分かんないけど、くすくす笑いながらついて来た。

暫くはこんな日が続くのかと思えば気分は下がる一方。


けど……
またゆっくり会いたいな………


始まったばかりの生活に少しだけうきうきしてた。


***


あれから数週間。
学生生活にも慣れ、寄宿舎生活にも……、
ほんの少し慣れては…来た。
独りっ子の俺はプライベートも奴等が一緒の生活に息切れしそうになると、彼女に初めて会った茂みの近くにあるベンチで息抜きするのが、定番になりつつある。
そんな時は、不思議と珀を追って彼女が顔を出してくれる。
ここの生活で、唯一 肩の力が抜ける心地好い時間でもある。

……にしても、スッキリしないのは、その彼女の事だ。
……俺…何処かで 会ってる…ハズ…いや、必ず。

…………何故だろう…思い出せない…



「であるからして、この場合は………」
「ここは帝王学に於いて、非常に大切な…………………」


……退屈過ぎる帝王学の講義を右から左へ聞き流してるウチに、寝たらしい…


『……どうしても、来ては貰えないのか?』
『花沢…いや、国王様 申し訳ない』

『そんな呼び方は止めてくれ 牧野、共に学んだ仲じゃないか』
『……君は、もう国王だろ?』

『どうしても、ダメか?』
『すまない…俺には研究所の所長なんて似合わないよ…でも、協力はいくらでもする』


キ~ンコ~ン♪カ~ンコ~ン♪♪

…………い…お………るい……


「お~い、類!起きろっ!!」
「……!!!」

「講義終わってるぞ、教授がすっげぇ睨んでたぞ」
「………ぁ……あの時だっ!!」

「おぉぉ、吃驚した。何だよどうしたんだ?」
「……あの時の子だった……」


ガタッ!!


「は?判んねぇ奴だな、まだ、夢の中か?」
「……………………」

「って、おいっ!何処にいくんだよっ!類!!」
「……司、ほっといてやれよ。昼寝の続きだろ」
「……ちっ」


気が付いたら、あの日彼女に会った場所を目指して走っていた。

………そうだ、あの時のあの子だっ!

道理でどこかで、会った気がしたんだ。
父さん達が難しい話をしている横で、母さんが出してくれたクッキーを嬉しそうに食べてた女の子。

『これ、おいしいよ♪』
『…………』

『あなたもたべる?はい♪』
『……ありがと』

そんな片言の会話しかしなかったけど、
あの笑顔と吸い込まれそうな黒い瞳。

間違いない、彼女だ。



ハァハァ言いながらいつものベンチに向かったら……今日はそこに人影がある。

しかもそれは綺麗な黒髪の後ろ姿。
ひと目で彼女だと判ったから、遠回りしてベンチの後ろ側から近づいて行った。

驚かそうと思った訳でも、悪戯心でもないんだけど……何故かそうしてしまった。
多分、こんなに息を切らして走った自分の姿を見られたくなかったんだと思う……。


「…………なのよ……あはは!」

そこに近づいたら、風に乗って話し声が聞こえた。
誰か居るのかと思ったら「わん!」って声も聞こえてきた。

あの豆柴を膝の上にでも乗せてるのかな?


「……珀、あの人達、海の向こうから来たんだよ?凄いねぇ」

わん♪

「でもさ……王子様だから無理なのよ。私なんて問題外。
こうやってお話するのも本当は奇跡なのよ?」


……ゎん?

「うふふ、あんたには判んないよね……。
いつかはあの人達もこの島から自分たちの国に戻っちゃうんだろうなぁ……当たり前だけど」



……王子様って……俺達の事?
自分じゃ問題外って……どう言う意味?

あの人達って言ってるけど、その中の誰の事を考えてるの?
この島から戻って行ったら……あんたはどう思うの?


「……またあの島で暮らしたいなぁ……。
そうしたらこの島を出ていっても会えるかもしれないでしょ?」


わんっ♪

「うん!きっと珀も気に入るよ?綺麗な島だもん。
お城もね、可愛いんだよ?昔ね、お父さんに連れて行ってもらった事があるの。
そこでお妃様に貰ったクッキー、美味しかったなぁ……だから私も美味しいお菓子を作りたくて練習始めたの。
いつか彼に食べて貰いたくてさ」



クスッ……なんだ。
俺より早く気が付いてたんだ?

じゃあ、さっきの言葉は……そう言う意味だって、自惚れてもいいのかな。


そう思ったら近づいて行く足も何だか浮かれてる。
どうしよう……いきなり抱き締めちゃいそうで怖いんだけど。


「ねぇ、珀……今はお勉強中のはずだけど、急に現れたらどうしよう?
きっと私、真っ赤になって言葉が出ないと思うんだけど。

でも、そんな事ある訳無いか!」


「判んないよ?あるかもしれないよ?」

「そお?でもさぁ………………はっ?」

わんわんっ♪



背中から掛けた言葉に驚いて振り向いた牧野つくし……彼女の瞳を見たらやっぱり俺の中で熱くなるものがあった。

天使の放ったハートの矢……多分この瞬間に俺の胸に飛んで来たと思う。


「……練習したヤツの味見役……俺が引き受けようか?」
「えっ?!あっ……聞いてたの?」

「うん、全部」
「………………うそ」



こうして俺達の恋は始まった。
そして必ず彼女を花沢国へ連れて行く……そう決めたんだ。




続く……と思う。



こんにちは~(´∀`)ノ

今日は2人の?5人の?出逢い編でした~♪
類くんとつくしちゃんは厳密には再会編?
まぁ、いっか!(笑)
いやぁ、こんな出逢いだったんですね~( ´艸`)

というか…( ´艸`)コレ……続く……んでしょうか……?(笑)
その辺も含めて?今後もお楽しみくださいね~♪♪

おつき合いくださりありがとうございました(≧∀≦)ノ



Gipskräuter

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総誕イベント特別編 『西門邸物語 ~ポチが来た~ 』by GPS
- 2019/12/03(Tue) -






総二郎に追い出されるような勢いで温泉旅館を出た5人。
類にあきら、司に桜子、そして滋はワイワイと迎えの車が待っている駐車場に向かっていた。


「あ~!楽しかったねぇ!」
「滋さんったらあんなもの先輩に……くすっ、どうなるのかしら」

「えぇ~?そりゃニッシーが頑張るんじゃない?」
「でも昨日だって私のローションで遊んでるはずだもの。西門さんの奥様に必要なのは体力だけですわね

「あははっ!つくし、頑張れ~!」
「うふっ、また痩せますわね」


女性二人の少し後を半分悔しそうな笑顔で歩く男三人。
「つまんねぇな」とあきらが呟けば「…いいじゃん、牧野が笑ってたし」なんて類が答える。

その時にピタッと足を止めたのは司……。
そしていつもの恐ろしい目付きを旅館横の淋しい色に変わった雑木林の中に向けていた。


「どうした?司。車、待ってるよ?」
「何かあるのか?……なにも見えないけど?」

「……いや、あの木の下に何か居る」

「木の下?あぁ……ホントだ」
「あれ?黒っぽいのが動いた?」

「…………見てくる」

「「ええっ!司が?!」」


普段ならそんなものに興味なんて示さないはずの司が長い脚で旅館の植え込みを跨ぎ、その「黒い物体」が動いた木に近づいて行った。
女性陣も気が付いて「どうしましたの?」「司、良いものでも見つけた?」なんて言いながら戻って来た。


大きな身体が木の根元にしゃがみ込んで何かしてる……それを四人は固唾を呑んで見守っていた。

暫くしたら司は立ち上がり、そしてクルッと振り向いたら胸には何かが居る……。


「ねぇ、司……何か持って無い?」
「なんだ?あれ、モゾモゾしてないか?」
「……まさか、生き物ですの?」
「判った!トトロじゃない?」

((((……それ、違うから))))



そんな会話をしながら待っていたら、再び植木をひょいと跨いで司が目の前に戻って来た。
ただ、その腕の中に抱かれていたものを見て四人が固まった……。

「「「「………………」」」」

「よく見たら仔犬だったんだ!俺はこんなの嫌いだけど、牧野好きだったよな?」

「「「「………………」」」」

「噛まなかったから持って来た。こいつ、西門で飼えば喜ぶんじゃねぇか?な?な?!」

「「「「………………」」」」


「わ、私、急用がありましたわ。皆様とは別の車で帰らせていただきます、失礼!」
「あ~~!滋ちゃんも早く帰れってパパに言われてた!桜子、一緒に帰ろっ!」
「あ、じゃあ俺も!急いで片付けなきゃいけない仕事があるから!」

一目散に待機していた車に飛び乗り、この場を去って行った三人……そして残されたのは「黒い物体」を抱えた司と、何故かそれを見ても動かなかった類…。
むしろ司が抱いていた「黒い物体」に顔を寄せて「可愛い…」と言って、クスッと笑った。


「司……それ、どーすんの?」

司は、今出て来た部屋の方を鋭い目で振り返り、舌打ちを一つ。


「よしっ!直接 、総二郎の自宅に連れて行こうぜ♪」
「………マジ?」

「牧野の嬉しそうな顔が思い浮かぶぜ♪」
「本当に?連れて行くの?」

「行くぞ 類!善は大急ぎだっ!!」
「……それ、ちょっと違う…」

「うるせぇな~置いてくぞっ」
「あっ、待ってよ」


こうして、花沢リゾート内で発見された可愛い仔犬(司は そう思っている)は、
東京に着く頃にはポチと名付けられ、首には可愛いリボンが掛けられ、
いつの間に発注したのか?特注のゲージに入れられて、西門城(邸)に到着。

突然過ぎる 司の訪問に驚いたのは 家元夫人。

ゲージにちんまりと座っている見方によっては可愛いのかもしれない仔犬(しつこい様だが、司は そう思っている)ポチに、
盛大な疑問を抱きつつも、
『と、と、取り敢えず…預かるわね…』とひきつり気味の笑顔で対応した。

そして、さして反対もせず西門邸まで付いて来た 類は、終始 司の一歩後ろを離れず沈黙を保ち、家元夫人の助けを求める様な視線を感じつつもスルー。
司が 可愛い仔犬だと思っているなら、それはそれで、いいんじゃない?の姿勢。


─どうせ、牧野に怒鳴られるのは司だし…

大騒ぎになった時の言い訳も万全、対 牧野以外には 実に食えない男である。





「総二郎さんっ、遅いじゃないの!ずっと待っていたのよ!
つくしさん、おかえりなさい。のんびり出来たかしら?」

「…………」
「はい、とっても楽しかったです」


「家元夫人がそんなに慌ててどうしたんだ?」


帰って来るなり家元夫人に怒鳴られ腑に落ちない総二郎だが、にこにこと対応するつくしを見て一呼吸おき疑問を口にした。


「やっと帰って来たのか!?
総二郎!!早くなんとかしなさい!」

「はっ?何を?」

「アレのおかげで大事にしていた松の木が大変な事になっているんだ!
総二郎……コレは高くつくからな!!」
「そうですわ……アレのおかげでお庭にもおちおち出れませんでしたのよ?」

「まずは二人共落ち着けって!
さっきから何を言ってるのかさっぱりなんだけど……?」



心当たりはさっぱりない!とでも言いたそうな総二郎の表情に、見せた方が早いとばかりに家元夫人は総二郎の手を引き庭へと歩き出す。それにつられてつくしと家元も後に続いた。

庭に近づくにつれ、家元夫人は辺りの様子を窺い歩みは遅くなる。


「庭に何があるんだ?」
「司さんが来たのよ………」


質問に対してあべこべな答えだったが、『司』の一言に最早悪い予感しか浮かばない。自然と総二郎の歩みも遅くなった。


「あっ…よかったわ……。ゲージで寝てるみたい……」
「はっ?ゲージで寝てる?」


遠目に見えるのはかなり立派に見えるゲージ。と、その中で丸くなっている黒い物体。


ーあれが司の置き土産か?


「あの黒いの何かしらね?私、見てくるっ♪♪」


総二郎の肩越しに恐る恐る見ていたつくしが、ゲージに向かって走り出していた。


「つっ、つくしっっ」
「つくしさんっ!」


ちょっと待て……っ!!
あのフォルムは小さいが……もしや?

と、総二郎が真っ青になったのを余所につくしはゲージの前でちょこんと座り嬉しそうに中を覗き込んでいた。
でも、何度見てもあれは……だよな?と、後ろでビクついてる家元と家元夫人には言葉に出せず、口パクだけで指を差すと「うんうん!」と頷いている。


だよな?あれは……どう見ても子熊だよなっ?!!


「あんなものを司が持って来たのかよっ!1人で?あいつ、大丈夫だったのか?!」
「類君が一緒に居たわ。でもニコニコしてるだけで何も言わないのよ!」

「……あの野郎っ!類は判ってて知らん顔したのかよ!」
「どうでもいいが、総二郎!どうするのだ?この屋敷で熊を飼う気か!」

「名前はポチだそうよ」
「…………ポチ?犬だと思ってんのか!」

「道明寺家に送ってはどうかな?」
「楓さんに喧嘩売るようなものですわ、家元」



親子3人がワイワイやってるのを知ってか知らずかつくしはゲージに手を入れ、眠たそうな子熊を抱っこ。
それを見た総二郎がクールな顔を引き攣らせ、両手をブンブン振って止めようとしたが声にならない。


愛妻が熊を抱っこ……これ以上の衝撃があるだろうか。


「つっ、つっ……つくっ……」
「ねぇ!総~、この子の名前、ポチでどうかしら~!可愛いワンちゃんだよ~!」


「「「………………」」」

「ポチ~!ここで一緒に遊ぼうか?きゃはははっ!擽ったい~!」

「「「………………(話してもないのに何故同じネーミング?)」」」



こうして司からのサプライズプレゼント、子熊の「ポチ」は西門家の一員になった。



……で、ある訳もなく、真実を知ったつくしに大叱られした司が再び能登に向かったのは2日後だった。

能登では子熊を探している母熊が居たとか居ないとか……。




おしまい♪




こんばんは~!

純粋に花沢城物語をお待ちになってくださった皆様にはお詫びを……(;>人<)

でもね、でもね!
今日は総ちゃんのお誕生日なのですよ♪
ということで、花沢城物語を総ちゃんver?にしてみました~♪♪
今回も自由気ままに遊んでおります( ̄∇ ̄*)ゞ
しかもしかもこの総ちゃんver…
ちゃんと日本だし!現代だし!!(笑)

花沢城が分からなすぎなんでしょうけどね~( ´艸`)
いや…だって……書いてる本人たちもさっぱり分かってないですもん(笑)
まあまあ、その辺はどこかに置いといて……

ひとまず……?

総ちゃん、お誕生日おめでとう♪♪


お付き合いくださりありがとうございました(*´∀`*)ノ


Gipskräuter

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愛と欲望の果て ~能登でちゃぷん~ 第十話
- 2019/12/03(Tue) -







←第九話 明日咲く花 asuhanaサマ


こちらのお話は参加者の合作となります
誰がどの部分を書いたのか?
書いていない人もいるとかいないとか……?
想像しながらお楽しみくださいませ(*´∇`*)



小松空港展望デッキ、良く晴れた空を見上げていた類は目当ての一機の着陸を確認。

相変わらず 派手と呟き、空港のロビーへと踵を返した。


『……あ、司?』
『なんだ珍しいな』

『まぁね、ねぇ総二郎の誕生日祝いしない?』
『は?……俺は忙しいんだよっ!』

『石川の花沢リゾートなんだけど…』
『……だからっ!忙しいっ…』

『牧野も来るよ?』
『……………』

『来るよね♪』
『…………行く…』

『じゃあ、小松空港まで来てよ。迎えに行くから……あっ!あきらも拾って来てね。日時は追って連絡する、じゃ』


一ヶ月程前に親友の一人と交わした会話を思い出したその顔は、
愉しそうに綻んでいた。


***


部屋にある露天風呂のお湯が、高くなった陽の光を反射してキラキラしてる。

……まぁ…正確には、お湯の中の金粉が光を反射してる訳だが……

まだ浴衣姿のつくしは、昨夜…いや…ほんの数時間前の事を思い出して、そこから目を反らした。


「……ここって、チェックアウト 何時だったのかしら?」
「んーー、そのうち受付から連絡くんだろ」

「……にしても、帰りの準備しなくちゃだから、総…起きてっ!もうお昼過ぎてるし
あっ、それより肝心な事忘れてた!」

「肝心な事?」
「うん!だってこれがなきゃ……はい!お誕生日プレゼント♡
一生懸命選んだんだよ?」

総二郎はつくしが差し出したものを受け取り……中身が何となく想像出来たが知らん顔してリボンを解いた。

出てきたのはストラップ……。
なんの石だ?と陽に当ててそれを見る総二郎につくしが説明した。


「これはね、誕生石って言うの。ちゃんと12月3日の石なんだよ?ホワイト・ジェダイトって言ってね、石言葉は『浄化された魂』 なんだって」
「あぁ、ジェダイトって翡翠だろ?へぇ~、サンキュ!で、お前の石は?」

「私のはロードクロサイト。石言葉は『新しい愛とロマンを招く』 だよ~♡」
「ふぅ~ん……で、類は?」

「花沢類はエンジェル・スキン・コラール! 石言葉は『変わらぬ思い』で……はっ!」


ニヤリ……総二郎の目が細くなった。



♪♪~♪♪~

タイミング良くなった部屋の内線の音に慌てて対応するつくし。


『お連れ様が到着致しました』
「え?…お連れ…さま?」
『皆さんお揃いですよ♪』

「ねぇーー総っ!お連れ様だってっ…って、皆さんって誰?」
「はっ?」



誰が…? と思う間もなく、目の前に現れたのは、つくしに向かい手を振る類。なんで俺が…? という表情を浮かべるあきら。
そして、こめかみに青筋を浮かべる司。

「あれっ? どうしたの? みんな揃って…?」
「どうしたもこうしたも……。俺はイギリスに居たんだぞ。それを司が…」「牧野っ!」

それまで憮然とした司の顔が一転。つくしを見つけた途端に笑みを浮かべ、駆け寄り抱きすくめようとする。
総二郎が慌ててその間に割って入った。

「何で邪魔すんだよっ!」
「何でって、当たり前だ!
妻に手ぇ出すのを、許せる訳ないだろうがっ!
大体が、なんでここに居るんだよっ!」
「は? 今日はお前の誕生日だろうが。
だから態々、俺様が来てやったんだ」

どうだ、嬉しいだろうとばかりに、ふふんっと鼻を鳴らす司。

別に来なくていい。
…ってか、つくしと二人きりを楽しみたい。
邪魔しないでくれ。

そんな不満タラタラの総二郎を他所に、つくしは類とあきらに話しかけた。


「ねぇ…。 類…。」
「昨日は、いろいろありがとね。 夕食もお風呂もすごく良かった。」
「あんたの『ありがと』は、聞き飽きたって言ってるだろ? 楽しんでくれたならそれで良いから。」
「うん。」

それなら来るなよ!
来なければ『ありがと』の言葉を聞く事もねぇんだよ!
と、思う総二郎

「美作さん。 わざわざ来てくれてありがとう。」
「あっ、いや…。 まあ、年に一度の総二郎の誕生日だし、こうして皆で祝えるのもなかなかねえしな。」
「皆、忙しいもんね。 そんな中、こうして来てくれて総も凄く喜んでるよ! ねっ!」

とびっきりの笑顔で言われたら、サッサと帰れ!とは言えなくなった総二郎
はぁ〜…と、内心深いため息を吐く

そこに新たな来客が来た

「つっくし〜!」
「先輩! お久しぶりです。」

はあ?
こいつらも?

「えっ? 滋さん? 桜子まで?」
「ニッシーの誕生日パーティーなんでしょ? 司に聞いてさぁ…。 つくし一人で四人の相手は大変かなぁ?と思って!」

いやいや…お前が一番大変なんだよ!
だが、居ねぇよりマシか?
司の相手をして貰えれば助かるし

「先輩! 冷蔵庫の中、見ました? 桜子特製ローションを、置かせてもらっているんですけど。」

ギクッ…
やべぇ…
露天風呂を見られたら一目瞭然なんじゃね?
いや、その前に冷蔵庫を覗かれたらおしまいだ!
空ケースはどこに置いた?


あっ、あんなところに
ま、マジか……

総二郎は微妙な感じの蟹歩きになりながら、空ケースに近付いていく。

「西門さん、どうかされました?」

それを目敏く見つけた桜子が、どこか楽しげに行く手を遮りながら、聞いてくる。

「ど、どうもしねぇよ」

「なんだか随分とお顔の色が優れないみたいにお見受けしましたけど……
でも不思議ですわ。なのになのに、お肌の色艶はバッチリなんて   オホホッ」

オニダ オニダ
オレノメノマエニ、オニガイル

でも、ちょっと待て
俺ら夫婦だ。しかもあのローションは、そういう用途のそういうローションだ
それを使って楽しんで何が悪い。

そうだそうだ。
何が悪い。

「おほほっ 何も悪いことはございませんわ。ただ、使い勝手は、如何だったかと先輩に詳しくお聞きしようかなーと
ついでにココにいる皆さんにも宣伝していただいてもいいですわよね」

オマエ エスパーカ?
って、問題はそこじゃなくてだ
皆んなに宣伝だと?

それだと……

「えぇ そうですわね
それだと先輩は恥ずかしがって、もう二度とお使いにならないかもしれませんわね」

だよな。だよな。
なぁ、俺にもだが、三条オマエにも不利益じゃねぇか?チラリと三条を見れば、ニコリと笑って

「そうそう、本日、同時発売を予定しております金粉入りの美容クリームのサンプルもご用意しましたの。1個十万円とお値段ははりますけど、効果は保障付きですのよ。それに今なら5個に1本、なんとあの特製品もサービスさせてい「買った」」

総二郎は、桜子が全てを言い切る前に予約した。

「20個買うから、今日はもうこの話題に触れるな」

「毎度ありがとうございます」

そう言いながら、それはそれは美しく微笑んだ。その美しい微笑みを見て

「ふぅっーーーー」

総二郎は、大きな大きなため息を吐いた。


「ねぇ……ちょっと。」


桜子特製のアレ♡をお買い上げしている総二郎の隙を突く様につくしに近付いた滋が
服をつまんだ。


「ん?滋さん何?」

「この後にみんなでケーキ食べようと思ってね
用意したのがあるから見て欲しいの!」

つくしの返事を待つつもりもない滋は、さあさあと別の部屋につくしを連れて出た。





「では、すぐにお届けしますわ。」

桜子を黙らせた総二郎はつくしが余計な事に気付かなかったかと見回すが
そこに居たはずの彼女が消えている。

「おい!つくしは?」
「あ?知らねえよ。
つうかよ。態々俺がこんな田舎まで来てやったんだから、少しはもてなせ。」
「司。そのシャンパン牧野の分も残しといてよ。
せっかく俺が一緒に飲もうと思って持ってきたんだから。」


さっき到着したはずの司はいつの間にかにリビングのど真ん中で酒を飲み始め
司の様子に呆れた様な顔をしたあきらの片手にも飲みかけのシャンパングラスが握られている。


こいつら…俺の祝いだとか言って完全につくし目当てじゃねえか!
だいたい、こんな忙しい年の瀬にとか文句言いながら
どんどんシャンパンを飲むなっ俺の祝い用がなくなるだろ。

まあいいさ。肝心のつくしは俺だけのモンだ。
こいつらが今更いくら足掻いたってその事実は変わらねぇ。
つくしがどれだけ俺に惚れてるか見せつけてやるから覚悟しろよ!




「___え?本当にこれでいいの?」
「ばっちりだよ!さすが滋ちゃん♡
つくし超可愛いもん!」
「そうかな?でもちょっと布少ないんじゃ……」


姿が見えないつくしを探そうとリビングを出た総二郎の耳に
そんな声が届き、また滋が余計な事をしているのでは無いかといきなり部屋のドアを開けた。


バーーン!!
「何してやがるっ!!」



開けたと同時に浴衣でバッ!と自分を隠すつくしに、ニヤリと笑った滋…でも、つくしの足元にハラリと落ちたのは……パンツ?
しかも男用で抹茶色じゃなかったか?

つくしは俺の視線が足元に向かってる事に気付いて、今度はガバッ!とその「抹茶色」の上に亀みたいに覆い被さった。

そんでもってつくしが隠してるはずの浴衣からスケスケの抹茶色が見えて、慌ててそれを浴衣の中に押し込んだけど……脳内インプットされた。


「あはっ、あははは!ななな、何でもないから!」
「なぁに?ニッシー、そんな顔しちゃって。いい男が台無しだよぉ?」


はぁ~、そう言う事ね?それはそれで……良いんじゃね?


なんて、腹が立って開けたはずなのに気分は別世界に向かった。
それは「今晩用」だな……。

そうしたら俺と背中合わせに桜子が立ち、呟いたのは……


「あれは1度っきりの特別仕様ですって。生地に特殊媚薬を仕込んであるんですの。
しかも水に溶けるらしいですわよ?滋さんも私以上に素敵な商品を考えるでしょ♥」

「……男用も見えたぞ?」
「勿論同素材ですわ」

「……悪いが俺にはクスリなんて必要ねぇけど?そんなもんに頼るほど……」
「…数㎝、アップですって」
「よし、使う!」


いやいや、なに喜んでるんだ?俺。


つくしはアタフタと「それ」を来たまま浴衣の帯を結び直し、真っ赤な顔で部屋に戻って来た。
問題はつくしがそんなものを着ている事を彼奴らに知られないこと……だな。
そして脱がせる訳にもいかない…。


「じゃあさ、ケーキ食べよっかー!桜子、シャンパングラス出してぇ?」
「滋さん、もう出てますわ。しかも道明寺さんと美作さんは飲んでますし。で、誰が切り分けます?」

「じゃあ美作さん切ってよ♡」
「牧野、俺でも切るぐらい出来るのに……」

「どうでもいいけど早くしろって!で、牧野はこっち座れ♪」
「司、なに言ってんだよっ!つくしは俺の横だろうが!」

「切るぞ~、文句言うなよ~!」


もう誰が何言ってるんだか判んねぇし、俺の誕生日なんてどうでも良くなってる。
主役のはずなのに端っこに追いやられ、3人がつくしに向かってケーキ食ってるのは何故だっ!!


「あっ、牧野。口の横、クリームついてる。取ってあげるね?」
「ありがと~、花沢類」
「触んなっ!!類ーーっ!!」


なんでクリーム取るのに両手で顔を押さえんだよっ!
油断も隙もあったもんじゃねぇっ!



「ねぇ、牧野。なんでいつまでも浴衣なの?着替えたらいいのに」
「えっ?あぁ、そうだよね~、着替えてこようかなぁ~」

「いや、つくしはそのままで。今日もここに泊まるから」
「うそっ!今日も泊まるの?総、私聞いてないけど?」

「じゃあ俺達もここに泊まるか!おい。類、部屋を準備しろ」
「えっ!司、泊まるのかよ?俺は明日の朝早くに仕事があるんだけど、類はどうするんだ?」

「ん?俺は牧野に合わせて……」
そんなもん、合わせるな!司もあきらも、ついでに類も帰れ!」

「あら、私達は泊まっても宜しいの?」
「やったぁ!露天風呂入ろうよ、つくしーー!」

「お前等も帰れっ!!💢」



こうしていきなり現れた奴らにせっかくの2人きりを邪魔された挙句、テーブルの上を散々汚されたが……極上のプレゼントの効果が出てきたようだ。

「じゃあ、またねぇ、つくし!」
「うん!滋さん、ありがと~!」

「先輩、ご機嫌よう。今度ゆっくり効果の程をお聞きしますわね」
「う、うん、判った!また電話するから!」

「牧野、今度はお前の誕生日に帰国すっからな。今日はおめでとう!」
「道明寺、…だから今日は総の誕生日だってば……」

「おやすみ、牧野。いい夢見ろよ~」
「美作さん、まだ夕方だから。ホントに酔っ払ってんの?」

「……じゃあ本当にこれで帰るね。牧野…またね」
「う、うん…花沢類、ま、またね!」

「どうかしたの?顔が赤くなってるよ?」
「ええっ!ううん、何でもない、なんでも……はははは……」


誰か1人ぐらい俺に言えよ!
……ってのもどうでもいい。彼奴らを部屋の前で見送ったら、つくしがソワソワし始めた。


「あれ」のクスリがジワジワとつくしを……。

自分の身体を抱くように腕を回したり、足をモジモジ擦り付けたりして、真っ赤な顔で俺を見つめてきた。


「総……あの、なんだか私……」
「ん?どうした?」

「ううん、何でもないけど……でも、身体が……」
「身体が昨日を思い出したか?仕方ねぇヤツだな」

「…やだ、そうじゃないんだけど……でも、あの…」
「判ってるって。つくし……滋にもらったもの、出せ」

「…………見えたの?」
「勿論。揃いの……なんて初めてじゃね?」


色にセンスは感じねぇが……よし!試してやる!!






第十一話 IRIS Ariaサマ 12:00


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お知らせ【総誕イベント】
- 2019/11/27(Wed) -




今年も総ちゃんのお誕生日がやってきましたーっ♪

総誕の代名詞(?)となったちゃぷんリレー、今年もやっちゃいます~!

タイトルは……
『 愛と欲望の果て ~能登でちゃぷん~ 』

何ともまた……な、タイトルですね(笑)えぇ、中身はご想像にお任せします♡

そして、今年は新メンバーにIRIS* ♥ Aria様を引き摺り込みお迎えしました~!
(るいか様、海の向こうで読んでくれるかな?+.(*'v`*)+)



それでは公開日時とチーム総ちゃんずのご紹介~♪♪

*日時・・・・・12月1日(日)12:00 スタート!

第1話  12月1日 12:00
第2話  12月1日 15:00
第3話  12月1日 18:00
第4話  12月1日 21:00
第5話  12月2日 09:00
第6話  12月2日 12:00
第7話  12月2日 15:00
第8話  12月2日 18:00
第9話  12月2日 21:00
第10話 12月3日 09:00
第11話 12月3日 12:00
このあと番外編あるかも?!


*お話を書いたチーム総ちゃんのメンバー*

 明日咲く花 ♥ asuhana様 
 柳緑花紅 ♥ 河杜 花様 
 gypsophila room ♥ Gipskräuter
 IRIS* ♥ Aria様
 Pas de Quatre ♥ plumeria様



そして今回のトップバッターはこちら!! Pas de Quatre ♥ plumeria様です!






是非、plumeria様のお部屋に12月1日の12:00、遊びに行ってくださいね!
お話の最後に次の作家様のお部屋に飛べるようにリンクが貼ってあります。

わからなくなったら上記の時間に何処かのお部屋に行ってみてください。



そしてそして、今年は豪華なサプライズがありますっ!!

しかもサプライズは1つじゃないっ!あれやらこれやら盛り沢山です!(言い過ぎかも……💦)


F4★Birthdayのトップ、総誕リレー!今年も頑張りました♡
皆様一緒にお祝いしましょう~♡(o‘∀‘o)*:◦♪待ってま~す♪♪




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