幸せへの道 2
- 2017/07/27(Thu) -

つくしは俺をじっと見つめたままだ。
きっとつくしもどう言えばいいのか分からずに、頭の中を整理しているんだろう。

「私に全部が務まるとは思えないの…。」

つくしの口から出てきたのはそんな言葉だった。

全部?
務まる…?

「総はもうすぐ卒業でしょ。でも私にはもう1年残ってる。
私には何にもないから、せめてね、勉強だけは頑張って優秀な成績で卒業したいって思ってるの。
でもね、それと平行して、総二郎の奥さんをやって、西門でもお茶のお稽古だったり、お花だったり、覚えなきゃいけないことはきっと山ほどあって、お茶会のお手伝いもあったりするでしょ?
頑張りたいし、頑張ろうって」
「つくし。」

つくしをきつく抱きしめていた。

俺とつくしの世界の隔たりがつくしを躊躇させている。
つくしにしてみりゃやっぱり伝統ある西門流に嫁ぐにあたり引け目があるんだろう。
もちろん俺も、たぶん親父らも、そんなこと気にしちゃいねぇ。

「一人で頑張ろうとすんなよ。俺がいるだろ?
お前のその気持ちは嬉しいし正直すげぇなって思うけど、全部を出来ねぇのは当然だろ?
俺の家のことなんて特にな。
始めっから出来ちまったら俺らなんて立場ねぇじゃん。
何年も何年も続けて形になるもんだと思わねぇか?」

「それはそうなんだけど…でも…。」

「でもじゃねぇよ。
俺はお前がお前でいてくれりゃそれでいいんだ。
だから無茶して全部を完璧になんてしなくたっていいんだよ。」

「それでも…私は頑張りたい。頑張りたいの。」

頑としてつくしは譲らねぇ。

無理なんかしなくていい。
背伸びなんかしなくていい。
ありのままでいてくれりゃそれでいいってのに。

「つくし、次の休みにさ屋敷行こうぜ。」

「総二郎…?」

「この話は親父らも交えて話そう。
実際、結婚したらどうしたって西門が絡んできちまう。
だったら親父らも交えて話した方がいい。
お前だってもう少ししたら西門の一員になるんだ。
『家族』で助けあうのが普通なんだろ?」

「うん…分かった…。
お義父さんとお義母さん…何て言うだろ…。」

「あの人らからしたら、案外なんでもねぇことかもしれないぜ?」

不安そうなつくしを宥めるように背中を擦っていた。


つくしがぶち当たった壁。

おそらく俺の答えと親父らが出す答えは同じだと思う。
きっと俺が言うより親父らから言われたほうが、つくしも素直に頷けるだろう。

そんな俺の思惑につくしは気づかねぇまま眠りへと落ちていった。

つくしを起こさねぇように気をつけながらそっと体を起こしてベッドから抜け出し、リビングへと移動した俺は一本の電話をかける。

電話の主は俺の話をただ黙って聞いていた。



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コメント
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2017/07/27 15:14  | | #[ 編集] |  ▲ top

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2017/07/27 17:20  | | #[ 編集] |  ▲ top

-花サマ-
コメントありがとです♪

っぽい感じでしょ?( *´艸`)
何事もやるならしっかりやりたい訳ですよ、つくしちゃん。
対して総ちゃん。
説得するも失敗です(爆)
でもでもただでは転びませんよ、総ちゃんですもの♪

ねー。
つくしちゃんは幸福者よね!
是非代わっていただきたい(//∇//)
あっダメ?!( ´-ω-)ショボーン
2017/07/28 00:59  | URL | コメ返信 花サマ #-[ 編集] |  ▲ top

-yukikoサマ-
コメントありがとです♪

でしょでしょ?
流石つくしちゃんのことをよく分かってる!!
結婚と完璧を秤にかけちゃうのもどうかと思うけど…。
何年たっても結婚できないよね( ̄▽ ̄;)
はい…書いたのはGipです(爆)

おぉ、まさかの司くん!!
それ新しいですね(((*≧艸≦)ププッ
面白そうです。ニヤリ。
2017/07/28 01:06  | URL | コメ返信 yukikoサマ #-[ 編集] |  ▲ top


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