理想の彼氏 その裏の苦悩 4
- 2017/07/20(Thu) -

side Soujirou 前編



いつの頃からかふと視線を感じてそっちを見るとあいつがいた。けど俺があいつを見ると視線はあっさりとそらされちまう。

そんな日々を送っていく中で、ある日ふと気付いた。

何の冗談だ?俺があいつを…?
何を好き好んであいつを選んじまったんだ?

そうは思うものの不思議なもんで、気付いちまった気持ちは急激に加速して、どんなあいつも可愛く見えちまうんだから堪んねぇっつーの。

昔遊びの女が、友達から恋人に発展するかしねぇかなんてそんな話してたっけな?
まぁそんなもんどうでもいいんだけどよ。

あいつが素直に自分の気持ちなんか言うワケねぇんだ。
だったら……。


俺が選んだのはあの頃の司と同じ道。
敷かれたレールなんてクソ食らえだ!

俺は正々堂々と牧野と向き合う。
そこにはいつものおちゃらけた俺はいねぇ。

結果、俺は牧野の本音を引き出すことに成功。
そして俺たちの付き合いは始まった。



牧野と付き合い始めて1ヶ月が経とうとしていた。


約束の時間に少し遅れてラウンジに着けば、牧野はあきらと言い合いをしながらも楽しそうに笑ってる。

自分が遅れたんだから仕方ねぇ。けど、そうやって誰にでも笑うのいい加減やめろっつーの。お前の笑顔は強烈なんだよっ。

声を掛けれずに佇んでいるとあきらと目があった。不敵な笑みを浮かべながら、牧野の頭に手を伸ばす。

おいおい、冗談じゃねぇぞっ。
あきらはさも可笑し気に笑ってる。そんなあいつを軽く睨んだ後、声を掛けて微笑みを貼り付けた。

「わりぃ、遅れた。」

牧野が振り返る。けど、俺と視線を合わせない。
さっきまであきらとじゃれてたくせに、なんで彼氏の俺とは目も合わせねぇんだよ。

内心イラッとしながらも、そこはいつものポーカーフェイスを保つ。

「ごめんな、牧野。行こうぜ。」

あきらに余裕の笑みを浮かべ、牧野の手を取りあきらに背を向けて歩き出す。
一刻も早くこの場からこいつを連れ去りたいんだよ、俺は!

あきらがどんな顔してるかなんて見なくたって想像つくぞ。しょうがねぇだろ。この鈍感女は言ったって聞く耳なんか持たねぇし、言ったら拗れるに決まってる。


俺を見てポーっとしてる牧野の手を引いてラウンジを後にした。


無言のまま歩く俺に堪えかねたのか、それとも単に思い付きなのか、牧野が口を開いた。

「ねぇ、西門さん?来週の土曜日にね、中学の同窓会があるんだ。」

「同窓会?」

言いながら再びポーカーフェイスを貼り付ける。
そうでもしねぇときっと続きをまともに聞けねぇっつーの。

そんなの行かなくたっていいだろ?
たかだか三四年じゃ人なんてそうそう変わんねぇよ。

そんな言葉を飲みこみ、続く言葉を想像していた。

「うん。ちょっと前に偶然友達に会って、みんなで集まろうってなったの。久しぶりだからすごく楽しみなんだ。」

やっぱ行くんだよな。
そりゃそうなるよな。

「お前、酒弱いんだから飲みすぎんなよ?」

ここで反対なんてしてみろ?
司の二の舞だぜ?

「うん。ふふっ。」

「なんだよ?」

「やっぱり西門さんは大人だなーって思ったの。」

「なんだそれ?」

「道明寺と付き合ってた時なんだけどね。やっぱり仲が良かったコたちと飲みに行こうってなったんだよね。
それをあいつに言ったら、行ったら駄目だとか、俺も行くとか言い出して大変だったんだから。お店出たら、黒塗りのリムジンが停まっててさ。もう、大喧嘩?ふふっ。」

こいつはこのタイミングで司の話を持ち出すのか…。
こっちは同窓会の話だけでも頭がいてぇってのに。こいつ、実は分かってやってんじゃねぇだろうな?

そんなワケねぇのは分かってる。牧野にチラッと目をやればそこにあるのは無邪気な笑顔だけ。だよな。こいつの鈍感っぷりはどうしたら治るんだ?

「分かってんよ。ただ、行くなとは言わねぇけど、迎えには行くよ。」

「へっ?」

「久しぶりに会うんなら帰り遅くなんだろ?電車が動いてる時間には帰るんだろうけどさ。駅からアパートまでは歩きだろ。
俺が可愛い彼女を夜中に一人歩かせるワケねぇだろ。」

ボーッと俺を見上げる牧野に言葉を繋げた。

「店が決まったら教えろよ?心配しなくても乗り込んだりしねぇから。車も地味なやつで離れた場所に停めっから。それならいいんだろ?」

「うん、分かった。ありがとう。」

ちょっと前のこいつなら、どうにかして断ろうとしただろう。意外にも素直な牧野の返事に正直ホッとした。

って俺はいつまでこんな状況に堪えられんだろうな?
ありえねぇだろ。
なんだってこの俺が女のペースに合わせてるんだ?
そう思うのに俺は牧野の前では物分かりのいい彼氏でいたいらしい。

どうしようもねぇな…。

心の中でそう呟いていた。



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コメント
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2017/07/20 14:41  | | #[ 編集] |  ▲ top

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2017/07/20 16:18  | | #[ 編集] |  ▲ top

-yukikoサマ-
コメントありがとです♪

本題!(((*≧艸≦)ププッ
うんうん、いよいよ本題ですよ♪

総ちゃん…何やら言いたい言葉たちをたくさん飲み込んでいるようです(笑)
司くんに負けず劣らずの俺様なのにね~。
いつまで我慢出来るかな~。フフン♪
いやいや。
これはきっとね、我慢でも無理でもなく、総ちゃんなりの努力!!
ということにしておきません?( *´艸`)
しておきましょ?ね!ウフ。

さて続き、どうなることやら。
もう少しお付き合いくださいませ~♪(o・ω・)ノ))
2017/07/20 21:26  | URL | コメ返信 yukikoサマ #-[ 編集] |  ▲ top

-花サマ-
コメントありがとです♪

そうですそうです、最早病気です(爆)
F4の中で蔓延中(((*≧艸≦)ププッ

つくしちゃんに悪気はないけどねー。
司くんは話題にあがりやすいかと!
つくしちゃんの一挙手一投足に総ちゃん振り回されるんでしょうね(笑)
まぁ今までのツケということで、頑張っていただきましょう!ニヤリ。

続きもお楽しみくださいませ~♪(o・ω・)ノ))
2017/07/20 21:42  | URL | コメ返信 花サマ #-[ 編集] |  ▲ top


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