colorfulbox 河杜花サマ
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- 2018/02/19(Mon) -
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kissをあなたに【2】 奴の名はウィリアム・メノン。 メノン一族の人間だ。 メノン財閥はアメリカ三大財閥の一つで、道明寺グループともビジネス展開している。幼い頃から日本のアニメで育ったウィルは、憧れの国「日本」で留学、もしくはホームステイをしたかったらしい。だけど、メノン財閥の一族一員が外国に語学留学ともなれば、そう簡単な話ではなかった。本来ならば大使館が決めたホテルに滞在するなど、誘拐などを恐れてセキュリティが緩いホームスティなんか許すわけがない。なのにどうやって取り付けたのか知らねーが、道明寺グループ経由で海外セレブ子女の留学先として実績のある英徳学園大学に短期留学を決めた。ならばとせっかく日本に留学するなら日本伝統文化を勉強してこいというウィルの親の考えもあり、日本伝統文化の最高峰である西門に白羽の矢がたった。 道明寺とメノンの両巨頭に頼まれ、困り果てた理事長たっての依頼を断る術はなく、3週間ほど西門にホームスティする事となったのだ。 まあ、西門は下手なホテルなんかよりセキュリティがしっかりしているし、伝統文化に関しは言わずもがなだ。西門はヨーロッパやアメリカでの国際文化交流を何年もしているし、外国人の弟子もいるので、使用人も外国人慣れしていて英語を扱える人間が多い。 ウィルが西門で生活をするにあたって、問題が起こることはないはずだった。 なのにだ。 今回、なぜか勝手がちがった。 ウィルの見た目は日本人女性が理想とする『金髪碧眼サラサラヘアーなディ〇ニー王子様キャラ』ってやつで、身長は司と同じぐらいある。アメリカではモデルもしているらしい。 ヨーロッパで社交界デビューしており、その立ち振る舞いは完璧で、貴族なのではないかと思うような上品な振る舞いだ。 その圧倒的なオーラと強烈な見た目は、厳格な礼儀作法にのっとった作法を心掛けている西門の女性使用人らを、瞬間的にメロメロにさせてしまった。イケメンセレブ外国人との接触が多いあの家元夫人でさえ、「ウィル、総二郎さんから無碍にされたら、遠慮なく私におっしゃってね。」と、顔を赤らめながら俺に毒を吐く始末。 大学に連れて行ったら行ったらで上野のパンダもびっくりして逃げ出すほど人が押し寄せてきて、かき分けながら歩くのが大変な状態となってしまった。見物目的の女学生の山は大きくなるばかりで、慌てて俺たちが使っているラウンジにいれた。 ここなら大丈夫と安心したのも束の間、先にラウンジにいた口煩い桜子ですら「理想的な殿方ですわ」と、まさかの太鼓判!! マジか? 女はいかにもという、わかりやすい金髪がいいのか??? しかもサラサラヘア?! しかも桜子のやつ、 「なんて神々しいほどのイケメンオーラなんでしょう。 あり溢れていらっしゃいますわ・・・。 先輩も素敵な方❤︎って、とっくにメロメロになられているんじゃありませんこと? まあ、そんな苦虫潰したような顔されてはいけませんわ。 西門さん。 精々気を引き締めてくださいな。」なんてアホなことを言いやがる。 類やあきらも明らかに面白がって、 「なんかウィルと総二郎って、キャラかぶっていて似てるよね〜。」 「確かにどっか似てるな。女に異様に受けるところとか? いや、髪がサラサラしてるところか?」とか言い出す始末。 おい? キャラ被ってなんかねーし、 まったくもって俺に似てるところなんて ひとつもねーよ! ・・・いや、よく考えてみたら、思い当たるところはあったぞ。 見た目のオーラはあきら風な王子様、性格は天使のようで腹黒天然な類、 俺様的で空気を読まない行動パターンは司にそっくりじゃねーか!! 『ねえ、総二郎。つくし、いつここに来るのかな?』 ラウンジにきて、1時間。 なかなか現れないつくしに業を煮やしたか、待つことに慣れていないおぼっちゃまは、 不満を表すかのように大きな身体を揺らし始めた。 『さあな。 ここにくるかどうかまで、俺はつくしの行動を管理なんてしねぇからな。』 ふぅ~んと言いながら、飲んでいたコーヒーカップをテーブルに置いた。 『総二郎。つくしって総二郎の恋人ではあるけれど、 まだ婚約者じゃないんだよね?』 『・・・ウィル、何が言いたい。』 『そんな怖い顔で睨むなよ。 せっかくの美しい顔が台無しじゃないかな? ・・・フェアじゃないから今のうちに言っておこうと思うんだけど、 僕さ、つくしに一目ぼれしたみたいなんだよね。』 『何言ってやがるんだ、ふざけんじゃねぇぞ? つくしの良さを一発で見抜けたことはほめてやるがな、 つくしをお前が口説いているような尻軽女と一緒にするなよ? てめえなんぞ、付け入るスキがねえよ。』 『ははは。さすがに自信たっぷりだ・・・。 ならばそのつくしが僕になびくか、試してもいいかな?』 『上等じゃねぇか!』 付き合い始めてまだ半年とはいえ、 その間にできた二人の絆を信じているし、 つくし自身を信じている。 世界的大富豪だかなんだか知らねーが、 昨日今日日本に来たウィル如きに、絶対に靡くわけがない。 俺のつくしをなめんなよ? 河杜花サマへのコメントは責任をもってお届けいたします! 温かいコメントお待ちしております(*`・ω・)ゞ 柳緑花紅へはこちらから♪
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