何気ない日常 ~ある日の茶室~ 後編
- 2017/06/07(Wed) -

side soujirou



気づくと注がれている意味ありげな視線。

視線が重なると時にポッと顔を染め、時に視線をそらされる。

その意味にある日気づいた。

牧野は司の女だった。
俺だって女として見たことなんて一度だってねぇ。

ただ、視線の意味に気づいてもイヤな気はしねぇ。
だったらその想いに向き合ってみるのも悪かねぇ。
珍しくもそんな風に思ってた。

そんな俺にあきらは言う。

『お前たちはお似合いだよ。』

と。

はぁ?
お似合い?
俺と牧野が?

お似合い…ねぇ…?
全然ピンとこねぇんだけど…?

ま、いっか。
どうせ考えたところで答えの出るような問題じゃねぇし。
ゆっくり向き合っていこうじゃねぇか。


そう思っていた矢先のことだった。


せっかく向き合おうと思っていた俺に対し、牧野の様子が明らかにおかしくなった。

目が合えばそらし、声をかければ逃げちまう。

おいおい、一体俺が何をした?
俺はなんもしちゃいねぇぞ?
これじゃ向き合うなんて無理じゃね?

極めつけは茶の稽古。
バイトだなんだと理由をつけて断ってきやがった。
いつも真面目な牧野は稽古をサボったことはねぇ。
それなのに急におかしいだろうよ?

俺はモヤモヤする気持ちを抱え日々過ごす。



ようやく茶の稽古日がやって来た。
ずっと断り続けた牧野も流石に不味いと思ったんだろう。

しかし蓋を返せばそれはいつもとはまるっきり違うもんだった。

これじゃまるで普通の稽古と一緒だな…。

前は互いにくだらない話を持ち出し、茶室には笑いが溢れていたというのに、今はそんなもんは微塵もねぇ。
それがなんだか不自然で言葉をかけるが、すぐに会話は途切れちまう。

そっちがその気なら…と俺も口をつぐんでいたら、稽古は終わりを迎えてしまった。

ったく、何やってんだか…。
ここはやっぱ俺が大人になるべきか?

二人の間に流れる妙な空気を打破するべく俺は牧野に声をかける。
いつものちゃらんぽらんな西門総二郎を演じながら。

すると、いつものやり取りが始まった。

やっぱり俺たちはこうでないとな。
牧野の笑顔を前にそんな風に思っちまう。

俺も大概こいつに甘いよな…。
そう思う。

どうやらただのダチだと思っていた牧野も、あいつらと同様に俺にとっては特別らしい。

けどよ?
特別イコール好きにはなんねぇだろ?
つーか、そもそも好きってなんなんだ?

今更そんなことを考えてる自分に苦笑しながら、俺はいつものように牧野をメシに誘っていた。



fin
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コメント
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2017/06/08 00:26  | | #[ 編集] |  ▲ top

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2017/06/08 18:44  | | #[ 編集] |  ▲ top

-花サマ-
コメントありがとです♪

まぁたまにはこんなお話もどうかなぁ~と(笑)
我が家は切替早いから( *´艸`)

おぉ~!
それいいですね~♪
ノープランだし乗っかってみようかしら?!
いい?うふ。

問題は…書けるかどうかね(爆)
Gipどこまで我慢出来るかしら(((*≧艸≦)ププッ
2017/06/09 00:33  | URL | コメ返信 花サマ #-[ 編集] |  ▲ top

-yukikoサマ-
コメントありがとです♪

何気ない日常の中で、何気に転がってるお話を…と思ってたんだけど。
これまた浮かばない浮かばない…( ̄▽ ̄;)

総ちゃん…どうだろう。
どうするんだろ…(笑)
全く考えてないわ!
でもこんな2人だからのーんびりなんでしょうね。
そして書くペースものんびりまったりです( *´艸`)

あらあら…せっかくのお休みが…( ̄▽ ̄;)
羽が生えてパタパタと…?(笑)
ちょっとはのんびり出来たのかなぁ?
頑張り過ぎないでくださいね~(*´・ω・`)b
2017/06/09 00:44  | URL | コメ返信 yukikoサマ #-[ 編集] |  ▲ top


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