忘れられない1日 後編
- 2017/03/15(Wed) -

どのくらいそうしていたのか。

ふと総の瞳がパチリと開いた。
パチパチと瞬きを繰り返し、腕を真上に上げてうーんと伸びをする。
こんな所までカッコいいってほんとにいい男って得だよね。

「つくしちゃんさ、もっと早く開けてくれよな?
体がガチガチになっちまった。」

そう言いながら立ちあがり、パキパキと音をたてながら体を伸ばしている。

あぁ、やっぱり足は痺れてないんだね?
それってさ、何かコツみたいなものがあるの?

…。

違う違うっ!
私ってばそうじゃないでしょっ!!

「ねぇこれ何?
どういうこと?
なんで箱の中から総が出てくる訳?
っていうか、大丈夫なの?
苦しくない?」

「つくしちゃん、質問多すぎ!
大丈夫だよ、これ特注だから。」

と、特注?
こんなのに?!

「ほら、ここにスイッチがあんだろ?
このスイッチを押せば中は快適空間に早変わりってワケ。
ただもう少し大きくしとけばよかったかもな。」

箱のスイッチを指差しながら総はいくつか並んでいるスイッチや箱の説明を始めた。

えっとさ?
そうじゃないよね?
こんなの特注して何やってる訳?
あーっ、お金持ちの考えることってほんと意味不明!!

「ん?そりゃ決まってんだろ?」

例によって私の心の声は駄々漏れだったらしい。

「可愛い彼女へのお返し考えてさ。
やっぱ一番喜ぶもんって俺じゃね?」

パチリとウインクを私に送ってくる。
私は思わず目を背けた。
ただのウインクなのに体までもがボワッと熱くなる。

だーかーらーっ!
しっかりしろ、私!!

「もうっ!
なにやってんのよ?
こんなことにお金かけてっ!
もったいないでしょ?!」

「そんな怒んなよ?
プレゼントが俺なんて最高じゃね?」

「だからってこんな大掛かりなことしなくたって!
ビックリしたんだから!!」

「でも否定はしないんだな?」

「うっ…。」

ニヤリと笑うその顔がなんとも憎たらしい。

「こんなことしなくても…私はただ一緒にいられるだけで嬉しいのに…。」

こんな言葉が飛び出していた。
何の反論も出来ないどころか…私らしくない…と思う。

そんなことを考えている私を総はフワリと包み込んだ。

「お前はさ、絶対に怒ると思ったんだけどさ。
付き合って初めてだしさ?
なんか特別なことしてやりたくて。
やっぱ忘れられない日にしてぇじゃん?
でもごめんな、驚かせちまって。」

「…うん。
総…ありがとう。」


この日の私は結局総に振り回されて大学どころじゃなくなった。

朝から美味しくいただかれて、目を覚ませばデートへと連れ出される。
そのデートも私を怒らせない程度にきちんと計算されているところが総らしいと思う。

驚愕から始まったホワイトデーはそれはそれは甘いものとなった。
きっと私はこの日を忘れることはないだろう。

だって…

こんなことを考えてくれる総が大好きだから。



fin
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2017/03/15 18:16  | | #[ 編集] |  ▲ top

-yukikoサマ-
コメントありがとです♪

あははっ!
やっぱりそこ心配よね!
絶対言われると思って、スイッチをご用意しておきました(爆)
つくしちゃんが開けずに大学に行っちゃうのも面白かったかも…ですね~( *´艸`)
つくしちゃんが不在のアパートで総ちゃんどうするんだろ?ププッ。

ある意味これ、プレゼントならぬビックリ箱よね?(笑)
でもつくしちゃんも嬉しかったみたいだからオッケーってことで♪

はい、お誕生日前にまたアップしますよ~。
お楽しみに(*´・ω・`)b
2017/03/16 00:21  | URL | コメ返信 yukikoサマ #-[ 編集] |  ▲ top


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