不安の先に 前編
- 2017/06/11(Sun) -

普段はあまり来ることのない銀座の街を歩いていた。


はぁ…素敵だな…。


前を歩くのは着物を纏った年配のご夫妻。

旦那さんの少し後ろを歩く奥さんと、奥さんの歩幅に合わせてゆっくりと歩く旦那さん。
時々言葉を交わしては微笑み合う。

そんな二人を見かけた私はその二人から目が離せない。

最近の私は無条件で着物姿に反応してそこに目がいってしまう。
これも西門さんの影響なんだろう。
そう思えば、顔中がボッと熱くなるのを感じていた。


「あっ!!」

声をあげると同時に体は動き出していた。
そして奥さんの体を支える。

「大丈夫ですか?」

「えぇ、大丈夫よ。どうもありがとうございます。
お陰で助かりましたわ。」

「大丈夫かい?」

「えぇ、こちらのお嬢さんが支えてくださいましたのよ。」

「それはそれは…お嬢さん、ありがとう。」

「い、いえ。お怪我がなくてよかったです。
それにしても酷いですよね、ぶつかってきて謝りもせずに逃げてしまうなんて!」

怒る私に旦那さんは笑みを浮かべている。

「お嬢さん是非お礼がしたいんだが、お時間はありますかな?」

「お、お礼なんてそんな…。
あっ、私待ち合わせをしてるので失礼しますね。」

「では名前だけでも…。」

踵を返して走り出した私にはその声は届いていなかった。



はぁ…。

待合せ場所についた私の口から出たのはため息だった。
毎度のことだし、分かってはいるけど…。

この人だかりの向こうに私の待ち人がいる。

だけど全然慣れないんだよね…この状況…。


パターンは2つ。

西門さんが気づいて私に歩み寄るパターン。
人だかりを掻き分けて私が西門さんのもとに歩み寄るパターン。

そして周りに、

『えっ?なんであのこ?』
『全然釣り合いとれてないじゃん!』

なんてヒソヒソ言われるんだよね。

そう。
パターンは2つあるのに、結果は一つなんだよね。

言われなくたってそんなこと分かってるっつーの!

でもしょうがないじゃん。
好きになっちゃったんだから。
西門さんも好きって言ってくれるんだから。


よしっ、行こうっ!

勇気を持って一歩を踏み出した。



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コメント
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2017/06/12 03:36  | | #[ 編集] |  ▲ top

-yukikoサマ-
コメントありがとです♪

うふふ~。
もしかしてもしかして…。ウフン♪
その辺はね~、短編なので何も考えず!(爆)
総ちゃんとの外での待ち合わせは、苦労しそうよね( ̄▽ ̄;)
目立つこと間違いなし!!
つくしちゃん、ファイトだ(*´∀`*)尸"

あらあらあら…それは流石にびっくりね!
なんとか解決の道が見えるといいんだけどね、どうなんだろう??
長い目で見た方がいいのかしらね?
そしてそして!
せっかく落ち着いたのに大変だーo(T△T=T△T)o
こっちもいいお返事がもらえるといいけど。

yukikoさん何だかバタバタ続きよね?
大丈夫?
溜め込まないように、ちゃんとリフレッシュしてくださいね~!

行ってくれたんだ~。
ありがとです♪
お話…あれしか浮かばなかったのよ…(笑)
お祝いコメお預かりしますね~(*`・ω・)ゞ
2017/06/12 22:38  | URL | コメ返信 yukikoサマ #-[ 編集] |  ▲ top


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